「important#06 はじめて明かされるディレクターとプロデューサーの本質と本音」に行ってきた。

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こんにちは、日常ブログばっかり書いてますが、実はWebディレクターのつたちこです。
11月に引続き、「!inportant」主催のセミナーに参加してきました。

https://important.doorkeeper.jp/events/66943

今回のタイトルは「はじめて明かされるディレクターとプロデューサーの本質と本音」
ストレートに、WebディレクターとWebプロデューサーの生々しいお話が聞ける、貴重な機会です。

 

今回のセミナーは、3部構成でした。

  • セッション1 / Webディレクター名村さん
  • セッション2 / Webプロデューサー角掛さん
  • 角掛&名村のフリートーク[なんでも質問タイム]

 

ちなみに、私自身はこんな経歴&立ち位置で今回のセミナーを聞きました。

  • 元ウェブデザイン制作会社勤務(東京)
  • 一般事務職→制作系出身、入社当時会社に事務方が得意な人がいなかったので、気が付けばディレクター的な役割を担っていた。
  • 当時、指導してくれる先輩ナシ。自己流体当たり&本&セミナーでなんとか成長
  • そんなこんなでウェブディレクター歴15年くらい
  • 在籍していた会社は「プロデューサー」職不在、クライアント関係構築からディレクターが対応
  • 2017年春に退職後、フリーランスのウェブディレクターとして、東京の仕事を中心に対応中

今回のセミナーを受講にするにあたり、気になっていたことの一つが「プロデューサーとディレクターの違いとは」という点でした。
前述しましたが、私がいた会社には「プロデューサー」がいなかったので、ディレクターが全部(クライアントとの関係構築から)の役割を果たしていました。

トップを走るディレクターのお話を聞きたいのと同時に、「本職のプロデューサーとは?」という疑問を解消したいのも、受講目的の一つでした。

 

名村さん、角掛さんのお二人のセッションは、あえて、でしょうか。
とても似せて2つの職種が対比できるようになっていました。

私が思っていた「ディレクターもプロデューサーの役割を担っているのでは」という疑問、それから「それならプロデューサーは何をするべき人なのか」という部分についても、答えを見つけられたように思います。

セッション1 / Webディレクター名村さん

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撮影 / サン・スタジオ:鍋坂樹伸さん

名村晋治さんのブログには、長らくお世話になっています。
かなり前から、まめにチェックさせていただくブログの一つでした。
「ディレクターって私がやってることであってるの?」という悩みまくりの日々に、よく参考にさせていただきました。

その名村さんのセッションとあって、かなりワクワクしながら聞きました。

名村晋治さんのブログ

http://web-directions.com/director/

 

全部の項目について羅列すると大変なことになってしまうので、今回特に印象的だった部分について。

ディレクターの担うべき仕事について

「ディレクターとは、どんな手段を使っても案件を『終わらせる』人」というのが超納得でした。

どんなに途中経過がつらくてきつくても、終わらせて、さらにもし感謝されたりしたら、すべての苦労は吹っ飛ぶ、というのも共感しまくりです。

 

いわゆるブラックになりがちな仕事ですし、私自身、休日返上、徹夜などのひどい生活をしていた時期も結構あります。
でもやっぱり出来上がった、そして結果を出した、その達成感があるからこそやれてしまうんですよね……。
(その生活は人としていかがなものか、という疑問なところももちろんあるんですが……)

 

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さらに細かく、ディレクターってこんなことをする、という仕事について。

プロデューサーの企画を形にする、導線設計、ワイヤー設計、KPI設計
工程、スケジュール設計
スタッフィング
予算管理
プロジェクトの指揮・指示・命令
問題解決・危機管理
工程・進行管理
品質管理
プロデューサーへの依頼
仲間を最後まで助け切ること

(抜け漏れがあったらすみません)

これはとても納得いくリストで、確かにこういうことをこなして来た、と思いました。
もちろん名村さんのようなレベルでうまく回せていたか、というと疑問が残りますが、私がこれまでやってきたことは間違ってなかった、と確認できてうれしかったです。

 

「あると便利なスキル」より「ないと困るスキルをまず身に着けろ」も、うなづきまくりでした。
Tipsは、基本があってこそ生きるものだと私も思います。

ディレクターとして強くなるために

「なぜウェブディレクターなのか? を考えて仕事をしているか?
 どういう未来になることを信じているか?」

それを考えて動くかどうかで、今後が全然変わってくるとのことでした。

 

今回、一番自分に足りないな、と思わされたのはインプット部分。
名村さんレベルの方でも、ハンズオンセミナーで技術部分をアップデートしていたり、本をたくさん読んでいたりといった努力をひたむきにずっと続けていらっしゃると聞き、頭が下がりました。

 

名村さんもおっしゃってましたが、以前のディレクター職には「マーケティング」とか無縁でした。今では、知識がなければ話にならないです。
必要なスキルは時代とともに、どんどん変わっていくのを実感します。

自分が今後行きたい方向に向け、自分自身をもっとアップデートせねば、と痛感しました。

セッション2 / Webプロデューサー角掛さん

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撮影 / サン・スタジオ:鍋坂樹伸さん

角掛さんのセッションは、「聴講者で、将来プロデューサーになりたい人、ゼロ」からの衝撃の始まりでした。すみません……。

 

私は、先に書いたように「専門職のプロデューサーはディレクターとどんな風に違うのか?」という点が特に気になるところでした。
今回のお話を聞いて、「ディレクターが担ってもいい部分の中から、特にクライアントとの接触・営業と、プロジェクト全体の企画、さらに責任と監督」という点に特化したのがプロデューサーなのかな、と理解しました。

 

【2017/12/5追記】
ツイッターで、角掛さんに補足を直接いただいてしまいました……うわあ、うれしい。


中の管理と外の管理と考えると、役割分担が明確になりそうです。
角掛さん、ご丁寧にありがとうございました!

 

クライアントの信頼を得るため、ゴルフや接待(飲み)が非常に有効、特にゴルフはここでしかできない話ができる、ということでした。
自分の話ばかりで恐縮ですが、ゴルフ、接待的なことは、私はやったことがありません……。
(もちろん、キックオフ、打ち上げなどの飲み会は仕切ってやらせていただくことはありましたが……。ゴルフ自体やったことない……)

「早く帰って飲みに行くのも仕事」は、それが楽しめる人じゃないとツライなあ、と正直思いました。
でもそのプロデューサーの働きのおかげで、ディレクター始めとした制作チームが良好な状態で仕事ができるのであれば、ぜひ某社にそういう人がいてほしかった(過去形)。

 

「プロデューサーのお話」ではありましたが、最初に角掛さんがおっしゃったように「ディレクターとの仕事の境界線があいまい」というのも、よくわかりました。
名村さんのお話と重なることも多く、どちらの職域もぱっきり分かれるものではないのだな。

 

それゆえ、角掛さんのお話でぐっさり刺さったことも多々ありました。

企画脳を鍛えるために、常にアンテナを立てていること。
周りをいつも観察していること。

これは名村さんもおっしゃっていたことですが、最近私、すごくこの辺鈍っているな、と反省。
「日常」に疑問を持つ、よく観る、そしてその改善を考えてみる、をもっと取り入れようと思います。

 

そして「プロデューサーになるには」で上がったのがこの3点。

  • 折れない心
  • 気合
  • コミュニケーション力

特に「折れない心」。
責任が重く、クライアント、制作の両方面からのいろんなストレスを受け流しながら、気持ちよく仕事する。
「向いている人を抜擢するしかない」というのも納得です。

 

正直に言います。
プロデューサー専任になれ、と言われたら、私にはつらいと思う。
今のように、軽度のプロデューサー的なことをしながら、ディレクターとして制作をまとめていく、というスタイルが私にはやはりあってるのかもなあ、という再認識ができました。

 

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それにしても角掛さんのセッションは「ここだけの内緒だよ★」というお話ばかり飛び出して、こんなぶっちゃけて大丈夫!? と思うシーンも。
楽しく、貴重なお話をたくさん聞かせていただきました。

角掛&名村のフリートーク[なんでも質問タイム]

important#06
質問コーナーのスライドかわいい。

個人セッションのあとは、お二人と、進行の永野さんの3人での質疑応答タイム。
事前に参加者から募った質問に対して、お二人が答えてくださいました。

 

特に参考になったのは、見積もりについてのお話。(直接の質問ではなかったですが、流れで見積もりの話になりました)
以前3人日で出していた同内容のことが、スキルアップしたら2人日で出す? みたいな問答でした。

同じ対応内容でも「誰が対応するか」でも変わってくるこの問題。
以前所属していた会社でもよく話が出ました。

あくまで会社としての見積もりなので「属人単価」ではなく、会社としての適正価格で出すべき、という風な流れになりました。
スタッフの数が多いほど、これって悩ましいですね。

東京価格ですが、という但し書きつきですが、生々しい金額まで教えていただいて、これもとても参考になりました。

また、「一社の安い見積もりが、業界全体の価値を下げてしまう。だから、値下げは絶対しないし、自分たちの価値をクライアントにきちんと納得してもらう努力を怠らない」のも、うなづきすぎて首がもげそうでした。

 

また、「深夜勤務になりがちなのは、どう対処している?」という質問。
これについても明快な答えがいただけました。

そもそも深夜(残業)勤務になってしまっている原因を考えるべき。

利益が出ている案件なら、スケジュールの立て方が間違っている。

残業することで利益が出ているなら、従業員をただ働きさせているだけ。
お金の取り方がそもそも間違ってる。

クライアント都合で、短期依頼の仕事が発生してしまうのはやむを得ない。
その場合にも、フェーズ分けを交渉するなり、予算アップを交渉するなりで、時間か人を確保する、その交渉力が必要、とのことでした。

 

ああ、耳が痛い。
おっしゃる通りだと思いました。

ただ、案件個別で調整しても、それが複数重なってしまうと、そこでデスマーチになってしまったりするんですよね……。
でもそれはそもそも、一人が時間内に対応しきれない案件を会社が受けた(そもそも人が足りない)、というミスなんだろうな。

まとめ

ディレクターとプロデューサー。
最前線のお二人のお話はとても共通することが多く、その2つの職種がぱっきりわかれるものではない、というのも納得でした。
私は「プロデューサー」がいる環境でのディレクションをやったことがないので、もし角掛さんのような人がいたらどんな風に仕事したんだろう、といろいろ想像してしまいました。

また、お二人がおっしゃるこの職種ならではの喜び、「喜びも苦しみも人一倍」「達成感がご褒美」「誰よりも出来上がった時の喜びが大きい」というのも共感しまくりでした。

責任の重さ、ストレス、プレッシャーは、ほかのスタッフよりも確かに大変ではあるけれど、それがディレクター、そしてプロデューサーの何よりのやりがいだよな……と、がくがくとうなづいてしまいました。

 

元居た会社から後輩ディレクターの件で相談を受けることもあるのですが、その「私の思うディレクターのやりがい」が通じないケースが多くなっている、というのが悩みどころです。
後輩ディレクターもこのセミナーを聞くがいい……!! と心でぶつぶつと呟いておりました。

 

important#06
撮影 / サン・スタジオ:鍋坂樹伸さん

今回のセミナーは、本当に極少人数だったので、とても贅沢にお二人の「ここだけの話」がたくさん聞けて、なんだか得した気分です。
何度、「これ、SNSはだめだから」「内緒だよ?」を聞いたでしょうか。笑
貴重なお話をたくさん聞けて、本当に参考になりました。

名村さん、角掛さん、そしてimportant運営の皆様、どうもありがとうございました。
次回2月のセミナーもぜひ参加したいです。楽しみにしています。

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この記事を書いた人

つたちこ

フリーランスのwebディレクター。基本方針は、健康的においしい食べ物とお酒を楽しむこと。できるだけご機嫌で生きていきたい。
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