【読書メモ】「君のクイズ」(ネタバレあり)

※本ブログの一部のページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

こんにちは、つたちこです。
久しぶりに小説を読みました。
「君のクイズ」。ミステリー小説です。

書影:君のクイズ
表紙は◯✕モチーフですね

昔は通勤時に欠かさず小説を読んでいたものですが、しばらく前から全然読まなくなってしまった。
たまに長時間移動時に読むくらい。
読めば楽しいのですが、なかなか改めて時間を取ることをしなくなってしまったというか、やることの優先順位が下がってるというか。
通勤時間は大事な読書タイムだったのだな。

というわけで、久しぶりの小説です。
とても読みやすくてさくさく進められましたし、面白かったです。
オチに、いまどきの小説!! と思いました。

あらすじはこちら。

生放送のTV番組『Q-1グランプリ』決勝戦に出場したクイズプレーヤーの三島玲央は、対戦相手・本庄絆が、まだ一文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たすという不可解な事態をいぶかしむ。いったい彼はなぜ、正答できたのか? 真相を解明しようと彼について調べ、決勝戦を1問ずつ振り返る三島はやがて、自らの記憶も掘り起こしていくことになり――。
読めば、クイズプレーヤーの思考と世界がまるごと体験できる。人生のある瞬間が鮮やかによみがえる。そして読後、あなたの「知る」は更新される! 
「不可能犯罪」を解く一気読み必至の卓抜したミステリーにして、エモーショナルなのに知的興奮に満ちた超エンターテインメント!

朝日新聞出版 最新刊行物:書籍:君のクイズより

<スポンサーリンク>

(以下、ネタバレがあります。)

人の死なないミステリーです。
あー、こういう手法があるんだな! と思いました。

先ほどのあらすじの通り、主人公はクイズプレーヤーの三島玲央。
ライバル本庄の優勝があまりにも理不尽に感じられたので「やらせなのか、あるいは0文字回答が可能なのか?」を検討していきます。
真相解明のために、クイズのQAとそれにまつわる思い出や出来事、問から答えを導き出すときの思考の動きが丁寧に描写されます。

私はクイズの強さって知識量の問題だと思っていたのですが、それはクイズにおけるごく一部。
問いそのものだけでなく読み上げる人の口の動きまで見て、わかる情報から答えを導き出す。反射神経や度胸も必要。
とても論理的なスポーツに近いものなのですね。あと競技かるたにも近しい印象を受けました(「ちはやふる」知識レベルですけど)。

たしかにすごいクイズプレーヤーの早押しって「なんでそれでわかるんだ!?」ってなります。
そのあたりの「なぜ」を、三島の思考を追うことで丁寧に教えてくれるのです。
それを知っても「すごいな!」しかないのですが、なるほどねえ、と感心しました。

<スポンサーリンク>

私なんかはこの小説の中でクイズの問いと答えを並べられても、あっという間に忘れてしまいますが。クイズプレーヤーは色んな情報を常に頭にしまうクセが付いているんでしょうね。それが問いにされたときに浮かび上がるのもすごい。
人生の中の出来事が、すべて糧になる。

写真:君のクイズ より
クイズ部分はわかりやすく太字で示してくれます。(が、全く覚えられない私)

一方でとても現実的な部分もあります。
テレビの生放送番組で編集できないから、編集しなくて大丈夫なような設問設定にするとか。
考えてみれば「そりゃそうだ」です。クイズで1番を決める、といってもあくまでTVショー。視聴者を得るための構成にして当たり前です。
簡単なものばかりでは見ててつまらないし、かといってひねくれた難問ばかり用意して誰も答えられない、みたいなことがあったら生放送の間が持ちません。時間も押してしまう。
そのことに番組序盤で気づいた本庄がすごい、なのか、気づかなかった三島が鈍いのか。

最終盤で、本庄がクイズYoutuberになるための布石だったというオチがあります。
いまどきっぽい! っていうのはそれなんですけど、夫いわく、実際にクイズYoutuberはいて、すごい人は何万人もフォロワーがいるんだそうです。

Youtuberを目指していたからこそ、番組の構成から問いの出し方にまで気が回ったのかもですね。
あくまで「クイズプレーヤー」を極めたい三島とはそこが違っていた。
なるほど。ちゃんと根拠があるんだな。

「クイズ・クイズ番組」という題材でこういうミステリ小説が可能になるんだ、というのがすごく斬新でおもしろかった。
あと、とにかく読みやすい。気楽にさくさく読めるところが、久しぶりの小説にはピッタリでした。

  • ブックマーク

この記事を書いた人

つたちこ

フリーランスのwebディレクター。基本方針は、健康的においしい食べ物とお酒を楽しむこと。できるだけご機嫌で生きていきたい。
ブログ「tsutachi.co」は毎日更新中です。