こんにちは、つたちこです。
「Winny」観てきました。
殺人に使われた包丁をつくった職人は逮捕されるのか——。
映画『Winny』|公式サイト
技術者の未来と権利を守るため、
権力やメディアと戦った男たちの真実の物語。
私は当時ウェブ制作会社に努めていましたが、Winny事件についてはあまり良く知りません。
自分も使ってなかったし「危ない共有ソフト」みたいな印象がありました。
(これは映画でも出てきますが、マスコミ報道での印象だったのだと思います)
そんなわけで詳しい事情を知らなかった私ですが、当時の空気感みたいなのを思い出しました。
以下ネタバレありですが、そもそも事実ベースなのでそんなにすごいネタバレじゃないかも。
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金子さんというプログラマーは、ものすごく純粋な「それがつくりたい」欲を持って、それを実現させられる人だったのだなあ。
一方そちらに全振りした結果、一般的なコミュニケーションが下手なところもなんか腑に落ちる。
天才と言われる人は、こういう感じなのかもしれない。
めちゃくちゃ緊迫した空気なのに、金子氏だけが自分の世界に没頭するがゆえの明るさを放っていたりして、そのギャップに苦笑いが出てしまいました。
事実ベースなので、最終的に金子氏が無罪になったことは知っていたものの、裁判を闘う様子は手に汗を握りました。
高齢の裁判官にIT技術を理解してもらうための説明、大変だったろうなあ……。
(もちろん、裁判官も大変だったと思う)
金子氏を演じた東出昌大さんは、正直あまり演技上手じゃないイメージでしたが、なんというか作り込みがすごいと思いました。体も丸くなってるし猫背で肌も荒れている。不健康さがリアル。
そしてその朴訥とした演技がまた、コミュニケーション下手な天才感があって、本当にこんな感じだったのかもしれないな、と思わせられました。
そんなものづくりの天才が1行もコードを書けない状態で置かれるって、地獄のような苦しみだったのではなかろうか。
「たった2行足せば脆弱性を治せるのに!」という金子氏の歯がゆさに、こちらも辛くなりました。さくさくアップデートできるのがITのいいところなのに。
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あと、弁護士チームとの仲の良さ、信頼感の厚さも心強くて、こんなチーム最高やんけ! ってなりました。
金子さんはめちゃくちゃ不幸な目にあったけど、その中で最高のチームと出会えてよかったね……!!
しかしこの天才プログラマー金子氏が、もし無罪確定後もずっと活動し続けていたら、いまはどうなっていたんだろう。
壇先生(弁護士)とタッグを組んで、おもしろいスタートアップとかやっていたかもしれない。
画期的なシステムを作り上げて、一大事業になっていたかも?
営業や販促とかで彼をサポートして行く人がいたら、めちゃくちゃおもしろいことになっていたのかもしれないな、とそれが本当に残念な気持ちになりました。
一方、Winny事件本筋と同時進行する、愛媛県警の裏金不祥事の告発はちょっと謎でした。
Winnyからダウンロードしたウィルスで情報漏えいし、Winnyにアップされた内部資料で真実が明かされた、という事例を表していたのかしら。
あるいは金子氏に対する警察の(なんらかの理由あっての)不当逮捕と、警察都合で内部で色々やらかしているということの象徴だったのでしょうか。
「なんらかの理由」が最後まで明らかにならなかった(たぶん)のもあって、ちょっとよくわかりませんでした。
裁判シーンが多く地味な絵面ではあるのですが、とても面白かったです。
法廷シーンでいつも傍聴人席にいた金髪の阿曽山大噴火さんがリアルでした。笑