【映画メモ】「犬王」見届けようぜ。

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こんにちは、つたちこです。
「犬王」を観てきました。いや、「見届けようぜ」に参加してきたというべきか。
見届けてきたよ。よかった、よかったです。

写真:犬王 ポスター

いつもながら、言語化難しいですが、感想メモ。


(ネタバレあります)


野木亜希子脚本、というだけで興味を持って見に行ったので、前情報はほとんど何もなしで行ったのですが、歴史も音楽も能楽も疎い私でも、しっかり楽しめました。
「鎌倉殿の13人」を見ているので、平家滅亡あたりは(源氏目線ではあるけど)多少は知識があったのがよかったかもしれません。
(「犬王」は鎌倉殿よりもう少しあとの時代の話です)

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ミュージカル映画を観たというより、ライブ参戦したような気持ちになりました。
犬王の迫力ある歌・パフォーマンスにも、友魚(友一・友有)の路上ライブもすごかった。
犬王は、最初マイケルジャクソン、鯨はクイーン、最終的にはバレエのシルヴィギエムのようでした。姿の変化とともに、ダンスや歌もどんどん洗練されていく。
音楽も、最初のうちは「えー、エレキギターはさすがにどうなの……」と思ってましたが、だんだん気にならなくなる圧倒的な巻き込まれ感。

奇抜な歌や演奏を聴いて、「こんなのあり!?」と奇異な気持ちからどんどんノリノリになっていくのが、まさにあの河原にいた観客の気持ちなのかもしれません。
なので「(中の人と一緒に)見届けようぜ」なのかな。

あれは、夏の夜の野外とかで声出しOK上映とかやったら、楽しそう。
一緒に歌いたい。でっかいくじら。

そう、1回しか見ていないのに、音楽を(一部だけど)覚えてしまってるのもすごい。
同じメロディを繰り返しているところが多いからだと思うけど、わずかな時間に刷り込まれてしまってる。
すごい。

アニメならではの、目が見えない友魚の視覚表現(音を聞いてる友魚の頭の中のイメージと思われる)も面白かった。
目が見えないゆえに、異形の犬王とスムーズに交流できるのもいい。二人は見た目ではなく本質でつながってるのね。
(他の大人が「犬王の見た目」にどこまでもこだわるところも、対比として友魚が差別化されてていい。)

見た目の部分で余談ですが、斬新なファッション&化粧している友魚(友有)、だれがスタイリングやヘアメイクしてあげてるのか気になるわ。犬王がかいがいしくやってあげてるのだろうか、とか妄想してしまう。

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異形の犬王の幼少期もかわいかった。
幼い犬王の分類できない個性的なダンスや疾走感はアニメならではでした。

600年前に実際にいたという「犬王」が、こんなに人気だったのに後世に残らない理由。
自分の都合よい歴史にしたい権力者の圧力、犬王のために意志を貫いて死ぬ友有、友有を助けるために自分の個性・歌・踊りを捨てた犬王。
そして600年後の現代で昇華する2つの魂。

エモい。
エモいという言葉で片づけるのはどうかと思うけど、うまく言葉にできないのです。非常に複雑な感情でゆすぶられました。

観終わってから、気になることばかりで原作者や監督のインタビューなどを色々見ています。
原作も読まねばと思ったし、映画ももう一度情報アップデートされた頭で見たい。

参考:
湯浅政明監督『犬王』関連投稿まとめ

原作者・古川日出男が語る 劇場アニメーション『犬王』の魅力① | Febri

アニメ「犬王」は“怪物”と“音楽”を映画にした 湯浅政明×古川日出男 対談ロングインタビュー(1/4 ページ) – ねとらぼ

脚本家・野木亜紀子は600年前の「失われた物語」に何を見出したのか? 映画『犬王』を語る | CINRA

映画『犬王』湯浅政明監督インタビュー──古典とモダンのあいだの試行錯誤 | GQ JAPAN

湯浅政明×古川日出男×野木亜紀子×松本大洋 ×大友良英。“能楽”×ロックな変幻自在のミュージカルアニメ『犬王』の魅力。 | 【GINZA】東京発信の最新ファッション&カルチャー情報 | CULTURE

アニメ界の異才・湯浅政明氏が抱く切実な危機感(東洋経済オンライン)

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この記事を書いた人

つたちこ

フリーランスのwebディレクター。基本方針は、健康的においしい食べ物とお酒を楽しむこと。できるだけご機嫌で生きていきたい。
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