映画メモ「罪の声」2時間半があっという間に過ぎ去る良作!

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こんにちは、つたちこです。
映画「罪の声」を見てきました。
約2時間半のとても長い映画でしたが、とても面白くてあっという間でした。

写真:「罪の声」ポスター
映画『罪の声』公式サイト

 

あらすじは、公式サイトからこちらです。
ちょっと長いですが引用させてもらいました。

35年前、日本中を巻き込み震撼させた驚愕の大事件。食品会社を標的とした一連の企業脅迫事件は、誘拐や身代金要求、そして毒物混入など数々の犯罪を繰り返す凶悪さと同時に、警察やマスコミまでも挑発し、世間の関心を引き続けた挙句に忽然と姿を消した謎の犯人グループによる、日本の犯罪史上類を見ない劇場型犯罪だった。

大日新聞記者の阿久津英士(小栗旬)は、既に時効となっているこの未解決事件を追う特別企画班に選ばれ、取材を重ねる毎日を過ごしていた。 一方、京都でテーラーを営む曽根俊也(星野源)は、家族3人で幸せに暮らしていたが、ある日、父の遺品の中に古いカセットテープを見つける。

「俺の声だ―」

それは、あの未解決の大事件で犯人グループが身代金の受け渡しに使用した脅迫テープと全く同じ声だった!
やがて運命に導かれるように2人は出会い、ある大きな決断へと向かう。
「正義」とは何か?「罪」とは何か?
事件の深淵に潜む真実を追う新聞記者の阿久津と、脅迫テープに声を使用され、知らないうちに事件に関わってしまった俊也を含む3人の子どもたち。
昭和・平成が幕を閉じ新時代が始まろうとしている今、35年の時を経て、それぞれの人生が激しく交錯し、衝撃の真相が明らかになる ――

引用:STORY|映画『罪の声』公式サイト

作品内では「ギンガ・萬堂事件」と架空の事件名になっていますが、モデルは「グリコ・森永事件」です。
未解決事件を、35年越しで真相を追いかけるストーリーです。

 

(以下激しくネタバレがあります)

 

星野源演じる「知らないうちに犯罪に加担させられてしまった子供」と、小栗旬演じる「未解決事件を掘り返す新聞記者」。
2人がそれぞれのルートで、事件の真相を追いかけていき、途中で二人の流れが合流。
そこからは二人一緒に事件にかかわった人を探していきます。

二人がそれぞれ、わらしべ長者のように次々と人づてで新たな証言を得て、じわじわと真相に近づいていきます。

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なので、かなり登場人物が多い。
端役の人も、私が知ってるレベルの役者さんがたくさん出ていました。
アンナチュラルやMIU404の登場人物も多数参加。TBS系だからか?

あと、情報量も多いです。
もちろん、実際の事件のことをよく知らなくても、ストーリーの中できちんと説明してくれる。
さらに、私が覚えてるレベルの「毒入りお菓子で脅した、劇場型事件」という表面的でないところの、株価操作で儲けようとしていた話とか、そこにかかわる人たちのこととか。

「キツネ目の男」ばかりが有名ですが、実際に事件にかかわっていた人数も(この映画では)10人とかなりのチームでした。
その10人のそれぞれのかかわりや背景などもあるので、情報密度がとても濃い。

 

ツッコミどころもあります。

次々に証言をしてくれる人がつながり「ちょっとうまく次の人が見つかりすぎでは?」と思ったり、小栗旬演じる新聞内でも10人以上のメンバーが一斉に会議してたり、「もう時効を迎えた事件の調査でこんな大プロジェクト化するか?」とか。

 

そんなツッコミどころもありつつも、もう画面から目が離せませんでした。
2時間半という長い映画ですが、まったくダレる部分・無駄に感じる部分がなくて、むしろがんばって削りまくった結果がこの2時間半なんだろうな……と思わされました。

 

後半になり、「罪の声」を背負わされたかつての子供たちの、現状が明らかになります。
もう、なんというか、心臓がぎゅーっとなるようなつらさでした。

事故の体で殺された望ちゃんもつらい。
でも望ちゃんのつらい期間は実は短かった。

一番つらいのは弟・聡一郎さんかな……。
35年もの間、抑圧され暴力を受け、さらには逃亡生活を続けなければならなかった。
人としての権利や尊厳を奪われ続けた人生。これはもう本当にキツイ。
暴力団怖い。(当時小学生・中学生の子供たちはまったくなにも悪くないのに!!!)

聡一郎さんがお母さんと再会できたことが、かすかな光でしょうか。
胸が熱くなりました。

 

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最後には、星野源役の叔父と母による「独白」があります。
彼ら自身の視点では、犯罪も「権力への反抗」的な理由があるのです。

大人たちだけでやるならいい。
でもそれに巻き込まれた子供たちの運命まで、考えていなかった。
子供がどういう運命をたどったかを伝えた時の目。
全然考えてなかったんだな、って。なんて自分勝手なんだ。ひどい。

と思いましたが、犯罪まではいかなくても、実際の世間でもこういう「大人の視点での行動」で、子供が巻き込まれて人生が大きく変わってしまうことはたくさんあるんだろうな……。
と、なんだか自分が「自分勝手な大人」な立場な分、妙にしんみりとしてしまったのでありました。
(犯罪はしていないですよ!!)

 

今回、キャストではなく野木亜希子脚本にひかれて見に行ったのですが、本当に野木さん脚本作品ははずれないな!!
役者陣も、みんな抑えた演技がよかった。
本当に面白かったです。

 

ちなみに、今回の上映、平日日中に行ったのですが、会場内には5名のみ。
しかも、感染対策で一人おきの座席配置だったので、ものすごく快適に映画が見られました。
静かで、視界に邪魔も入らず、温度も換気も快適。
めちゃくちゃ贅沢な空間だ。

コロナ禍以降、初めて映画を見に来たんですが、こんな贅沢知ってしまったら、元の「隣に知らない人がいる」状態に戻れない気がする。
とてもよかったです!
これならまた観にいこうと思いました。

 

映画『罪の声』公式サイト

原作も気になるな。

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この記事を書いた人

つたちこ

フリーランスのwebディレクター。基本方針は、健康的においしい食べ物とお酒を楽しむこと。できるだけご機嫌で生きていきたい。
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