【読書メモ】「大奥」18巻。大政奉還、王政復古の大号令。残り1巻!!

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こんにちは、つたちこです。
先月下旬に発行された「大奥」18巻(よしながふみ著)
読んでも、なかなか気持ちの整理がつきません。うう。

書影:大奥18巻 よしながふみ

いよいよ幕末、徳川末期。
わかってはいたものの、怒涛の展開でした。

(以下ネタバレあります)

 

のっけからネタバレですが(歴史ベースの話なので史実的にはネタバレも何もないですが)。

家茂の死があっけなさすぎる。

家茂、本当にいい人。
「大奥」で描かれてきた歴代将軍の中でも、1、2を争う気持ちのいい人だし、人間ができてて、さらに頭のいい人だった。
人の気持ちもわかって、政治も理解して、危機感もきちんとあって、自分の状況も理解して。
これからの日本のために最善を尽くしていた人。

そういう人ほど早く、そしてあっけなく(物語的には)死んでしまった。

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パートナーとして気持ちの通じ合った和宮が、家茂のためになにかしら頑張ろうとしていた矢先に家茂の死が伝えられたのだけど、その後に死に立ち会った志賀から、家茂が亡くなる直前の本当の姿が伝えられる。

いろんな想いを残して若くして死ぬ人が、悔しくないわけがないのだった。
読んでいるこちらも「もっと長く生きて、和宮との暮らしも政治も、堪能してほしかった」とグッときました。
家茂がもっと長く生きていたら、その後の日本はもっと違う形になったのだろうか、とつい思ってしまう。
(たとえ討幕に至ったとしても、その後が変わったかもなあ、と)

 

その後、最後の将軍になる慶喜は、あまり直接的に描かれません。
家茂への敬愛度が強い勝海舟から見た姿とか、慶喜の扱いに困っている部下から見た姿とか、遠くから大奥に下される一方的な指令など、どれもあまり評判がよくない感じ。
慶喜本人の気持ちとか感情があまり見えない。

徳川慶喜といえば、結構前に大河ドラマで本木雅弘が演じたのが印象にのこっています。
調べたら1998年でした。22年前!
大河ドラマでは、とてもクールで聡明、政権争いもしたくなかったのに優秀ゆえに巻き込まれて……みたいな描き方だった覚えがあります。
なので、私の中で慶喜は「実はいい人」ポジションだったのですが、あっちが異端だったのかな。

 

そして18巻の主役は、表紙にもなっている「瀧山」ですね。
大奥総取締役。

この時、瀧山は何歳なんだろう?
瀧山も相当波乱の人生でしたが、13代、14代、15代の将軍に仕え、徳川時代の最後、物語の最後まで見届ける役割なんだろうと思います。

 

そう、いよいよ物語の最後。
次巻19巻で、大奥が完結すると予告されました。
あと1冊。

長かったー! と思うと同時に、終わっちゃうのかー!! という寂しさのほうが強い。

私はたしか3巻くらいまで出たあたりで買い始め、そこからコミックスで並走してきたんですが、正直最初のころは、徳川時代全部書ききるなんて思ってなかったです。

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しかも、基本は史実ベース。
史実を追いながら、若い男性にしか罹らない病気「赤面疱瘡」というフィクションを入れ、3代目将軍から男女入れ替え。
そして女性がメインで立ち回る長い時代を経て、とうとう赤面疱瘡を克服する将軍と医療チームが現れ、男性人口が増えてじわじわと男性が活躍する場が増え、最後の15代で史実通り男性将軍の慶喜に戻す。

なんていう見事な仕掛けなんだ。

女性が政治を行っていた事実は史実上は隠されていることになっているので、「現在みんなが知っている徳川の歴史」は、実はその「隠されて上塗りされた歴史」な可能性だってあるわけです。
すごい。鳥肌が立つような気持ち。

いや、まとめみたいなのを書いちゃいましたが、まだ終わってないですよ!
どう着地するのかが楽しみで仕方ないですが、一方で本当に寂しい。
楽しみが一個減ってしまう……。
(あと1回残ってますけど!)

新刊が出るたびに、結構前にさかのぼってもう一度読み直して、と繰り返した結果、徳川の歴史にはだいぶ明るくなりました。笑

 

19巻の発売は、2021年冬の予定だそうです。
あと半年、既刊を反芻しておこうと思います。

17巻の感想メモはこちら。

https://tsutachi.co/blog/2019/08/oooku17/

19巻が発売されました!

https://tsutachi.co/blog/2021/03/oooku19/

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この記事を書いた人

つたちこ

フリーランスのwebディレクター。基本方針は、健康的においしい食べ物とお酒を楽しむこと。できるだけご機嫌で生きていきたい。
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