こんにちは、つたちこです。
しばらくバタバタで録画したドラマが溜まってしまい、最近夜中に少しずつ消化しています。
その中の一つがNHKの日曜夜11時にやっていた「レ・ミゼラブル」。
全8回で、もうすでに最終回を迎えています(見るのが遅くて申し訳ない)。
https://www4.nhk.or.jp/les-miserables/
今現在、私は5話まで見終わりました。
残り3話。
「レ・ミゼラブル」は超有名コンテンツ。
ミュージカルや映画などにもなっていて、見たこともあるので、ストーリーはおよそ知っています。
ですが、やっぱり連ドラだと描写がすごく丁寧なんです。
ミュージカルや映画ならだいたい2時間。
この連ドラの場合、45分×8回なんで、単純に約4倍の情報量があります。
水増しした感じはなくて、むしろ超濃厚でみっしりと丁寧に描かれています。
話の流れは覚えていたものの、そこに至る心理とか経緯とかがすごくわかりやすい。
ちなみに、NHKの連ドラ「レ・ミゼラブル」は、ミュージカル色はゼロです。
ドラマ「レ・ミゼラブル」のすごいところ
俳優さんもとてもいいんだけど、ロケーション、背景の本物感がすごい。
お金持ちの建物は重厚で天井が高く窓があって。
工場は薄暗く、貧乏な家は隙間だらけでせせこましくボロボロで埃っぽい。
石造りの建物の重々しさは日本の家にはないもので、実際に住んだことはないけど、その冷たさや薄暗さが画面からひしひしと伝わります。
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そして画面がほんとに暗い。
画面全体の色がそもそもくすんでいて、服や家も落ち着いた色(薄汚れているともいう)がほとんど。
全体に彩度が低いのですが、さらに室内シーンは特に暗い。
石造りの家で、窓も小さく、昼間のシーンでも薄暗く陰影が深い。
特に夜のシーンの暗さが半端ない。
部屋にろうそくが一本しかなかったりする。
ランプじゃなくてろうそくなので、光が全然広がらない。
で、その状態でそのまま撮影してるように見えるのです。
顔が見えるような補助となる照明なし(たぶん)。
「表情が全然見えないよ!」
って思うんですが、これが当時の暗さなんだなあ、と。
ただ、表情が見えないにもかかわらず、こちらがグッとくる演技の俳優さんたちがまたすごいのですね。
余談ですが、この「暗さ」の延長が海外のホテルの薄暗さに通じるんだな、と思った。
日本も江戸時代とかは薄暗かったはずなのに、なんで今はこんなにシーリングライトの明るさになってしまったのか謎ですね。
あと、痛みを伴う表現が、ほんとに半端なくえぐい。無常すぎる。
この時代(19世紀初頭)は、フランスに限らず世界全体がこんな感じなのだろうか。
今まであった強烈なシーン。
ファンテーヌ(コゼットの母)がお金のために身を売る。
……んですが、この売り物の「身」っていうのが、まず「歯」と「髪」。
街に買い取り業者がいて、売りますっていうとテントに連れ込まれて麻酔なしに歯を抜くのです。
しかも前歯全部。ペンチで挟んで無理やり引っこ抜く。
ぎゃー!!!
ほんとにこっちの歯が痛くなる気がしました。からだの真ん中がひゅんと冷たくなる感じ。
髪の毛も、よく漫画とかで見るのは首のところでバッサリカット(結果あごくらいの長さのボブになる)ですが、レ・ミゼラブルの場合「坊主」です。
根元から、裁ちばさみのような大きなハサミで、じょきじょきっと。
少しでも長くカットして売り物価値をあげるってことなんでしょうか。
これカツラよね!? って確認したくなるほどリアルでした。
つらい。
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のちにコゼット(幼少)が街で人形を売っているのを見るシーンで、人形売りが「本物の人毛を使ってるよ」と呼び込み文句に使っていました。
まさかと思うけどファンテーヌ(母)の売った髪じゃないよね!? とヒヤヒヤしました。
私にとってのつらいシーンは、ほぼファンテーヌが多かったんですが、子供時代のコゼットへの虐待も相当ひどかった。
まだ幼稚園くらい? の年頃の子に水汲み・掃除・叱責・折檻。
折檻自体もつらいですが、まわりの大人の姿を見るのもつらい。
養父母によるコゼットへの折檻を、まるでショーのように楽しんでいるのです。
うわあ、なんていうモラルのない……。ひどいオトナばっかりだ!!
と目を覆いたくなります。
こういうのも当時は普通だったのか、自分には関係ない虐待も一種の娯楽になっていたのか。
つらい。
「レ・ミゼラブル」はファンテーヌだけじゃなくて、主人公ジャン・バルジャン(超いい人)も相当ツライのですが、私が見ている現在地点(5話)は、いったん落ち着きを見せてます。
ちょうどマリウスと成長後のコゼットが出会ったあたり。
後半に向けてのインターバル的なところになるのかと思います。
これからまたいろいろあるんだろうなあ。
つらい。つらいんですが、残り3話をじっくり楽しみます。
これほんとによくできているので、再放送したらいいんじゃないかな……!
(NHK+で配信しているのが見つけられなかった……)
Photo by Todd Diemer on Unsplash