「獣になれない私たち」がコンテンツとして優秀すぎる。

こんにちは、つたちこです。
熱く語りすぎだろう、「獣になれない私たち」。
昨日書いた後も、いろいろグルグル考えてしまいました。

つらい面も多くありながらも、コンテンツとしてとてもよくできているからこそ引き込まれたのだなあ、と改めて感じました。

 

以前私は「天狼院」という書店のライティングゼミに通っていました。
そこで教わったのは、単なる文章の書き方とはちょっと違い、「コンテンツ」として、どうやったら読み物を面白くできるか、という点です。

「コンテンツ」とは、時間またはお金を費やしてもよいと思えるもの、と毎回強く言われました。
文章も、映画も、漫画も、動画も、自分に持っているもの(時間・金)を使ってでも、それを見たい・読みたいと思えるか、その価値を生み出せるものが天狼院流の「コンテンツ」です。

「獣になれない私たち」は、その教えで言うところの「コンテンツ」要素がふんだんに使われているなあ、と感心しました。
※以下、ネタバレ要素が多数あります。
※天狼院で教えていただいたものをかなり意訳したり自分解釈にして書いていますので、教えていただいたそのものではありません。

ギャップの激しさ

きれいでかわいくて、真面目にちゃんと仕事をしている主人公、晶(新垣結衣)。

かっこいい恋人がいて、仲もよくて、結婚間近の雰囲気。
仕事はITクリエイティブ企業の営業アシスタント。
ニコニコと素敵な笑顔を絶やさない。
おしゃれなオフィス。おしゃれな服。
仕事もてきぱきとこなす。

かーらーの。

ワンマン社長に振り回され、「てきぱき」ではなく「てんてこ舞い」だった。
仕事に無責任な同僚のしりぬぐいの繰り返し。
押し付けられる仕事。
深夜までかかってプレゼンの準備。
クライアントと同僚の板挟み。
父親からのDV経験者で、母親とは決別して天涯孤独の身。
更に、結婚意識している彼氏の家には元カノが寄生。

 

あこがれる境遇かとおもいきや、スタートから5分くらい以降で、一気にヒロイン晶がものすごくつらい境遇にいることが判明。

ここでもう見ている側としては、あまりの意外性にぐんぐん引き込まれてしまいます。

共感を生んで、自分ごと化する

「共感を生む」というのも大事なコンテンツの要素です。
共感を生むことで、見ている側は自分ごととして物語を見られるので、よりコンテンツにのめり込みます。

上司がキツイ。
満員電車つらい。
仕事の無茶ぶり。
深夜労働。
同僚が使えない。
クライアントからのセクハラ。
なんで私が!? というやるせない気持ち。

父親からのDV経験と、事故死による喪失経験。
ともにDVに耐えてた戦友・母親がマルチ商法にはまり、結果として絶縁の、生い立ちもつらい。

キラキラした「リア充」かと思いきや、ヘビーな要素満載。

全部じゃないにしても、どこかに引っかかって共感を生むはず。

 

ただ「ガッキーかわいい」だけでは、ここまでひかれません。

共感をもって「かわいそう」「自分のことのようにつらい」「セクハラきもい」「自分もそうだった」と思わせられる。
演技はもちろんのこと、脚本と演出が絶妙なのだと思います。

シンデレラみたいなものかもしれません。
きれいでいい子だけど、いじめられてみじめな生活をしている。
だからこそ、終盤の「上昇シーン」が引き立つ、という。

ジェットコースターのようなアップダウン

とにかくいろんなことで、ハラハラするところと、ちょっとうれしいことが波のように連続します。
連続しながら落ちてく。

幸福で普通の生活を送っているかと思いきや、仕事面は超ブラック。
社長指示で、同僚の尻ぬぐいばかりさせられている晶。

尻ぬぐいしているのにもかかわらず、女性同僚からは「顔がイイから気に入られてる」と、仕事の出来で評価されない。感謝されているようにも見えない。

 

そんな中でも「ぎりぎりのタイミングで、書類差し替え成功!」などのちょっと嬉しい、ほっとする出来事も。
でもその直後には、失敗した同僚の尻ぬぐいで、土下座からのセクハラ。

他の同僚に手伝ってもらって、ぎりぎりでクライアントとの約束を果たせた! よかった! という喜びの直後の、電話でセクハラ(2度目)。
手伝ってくれた同僚たちが帰る中、電気が消されていき、たった一人で暗い会社にいるところがまた、明 → 暗 という心象を深くしている気がする。

 

そして疲れ果ててつぶれそうなところに、さらに追い打ちをかける、社長からの「やる気あんのか」メッセージ。
うっかり電車に飛び込みそうになって我に返る。

ここがどん底ですね。

 

その合間にも、彼氏と幸せかと思いきや、超保守派の意見を聞いて萎えたり。
一緒に暮らせば! という彼母の意見を受け流しつつ、問題あるのは彼氏のほうだったり。

彼母も、明るくておしゃべりでいい人そうだけど、家では介護問題を抱えていたり。

 

そして1話の最後。
どん底から吹っ切った晶が、冒頭で「誰アピール?」「履きたい靴を履いてるだけだ」とやり取りした、かっこいい(でも男受けしなさそうな)ブーツを履き、今までの社会人受けのよい服装から、「自分の着たい服」を着て会社に行き、その様変わりした姿を見て呆然としている社長に「業務改善要望」を突きつける、というところで終わっています。

周りに振り回されまくって坂を転げ落ちていった晶が、どん底から「自分自身で」上昇に転じたシーンです。

見ている側としては、気持ちの上昇にほっとするし、希望が持てる。
会社の人々に、一泡吹かせてやったという爽快さもある。

明るい雰囲気で次につながる、というのも大きい。
この後「業務改善」されるのか気になるし……という2話への渇望も出てくる。

この大小いろんな波の「揺すぶられ」効果で、まんまと目が離せない、そして次週以降が気になる展開になっています。
ほんとに構成がすごいなー。

晶の完璧さの裏側

これは「コンテンツ」の教えの話とはちょっとずれますが。

松田龍平に「偽物のキモイ笑顔」と言われた、晶の笑顔。
あれは、過去のDV経験などから、相手の機嫌をできるだけ損ねたくないという防御機能なのではないかと。

社長に強く逆らえないのも、大きな声でガンガン言われることでDVを思い出して、それを避けるために立ち回ってしまうから?

とかいろいろ考えてしまいました。

最後の「反乱」シーンでサングラスをしていたのも、笑顔を封印することと、目を見せないことで表情を隠すためかもしれないですね。

 

それにしても、晶は本当に泣かない。
つらいことがめちゃくちゃあっても、しにそうになっても、涙をこぼさない。

どん底の時は、無表情になって、ただビールをあおる。
彼氏も親も同僚も上司も、誰も助けない。
晶自身も他者に助けを求めない。弱音を吐かない。

表向きは完璧な笑顔、仕事。
そして恋人の彼女としての立ち位置の、空気を読む行動。

素の顔と、本音を見せたのは、バーで居合わせた松田龍平だけ。

そこらへんが、より揺すぶられるのかもしれません。

 

2回も「獣になれない私たち」第一話(だけ!)について熱く語ってしまいました。
なんというか、抑えきれませんでした。

こんなにドラマ見て熱くなったのは久々です……。
どはまり……。

 

最新話は、ネットでも見られるそうです。
いまなら第1話が見られますので、もしまだの方はぜひ!!

https://cu.ntv.co.jp/kemonare_01/

Huluでも見られるそうです。

https://www.happyon.jp/kemonare/

スポンサーリンク
レクタングル(大)広告




レクタングル(大)広告




この記事をシェアする

フォローする

おすすめコンテンツ