読書メモ「告白」(湊かなえ)

こんにちは、つたちこです。
読書メモです。
湊かなえさんの著作で初めて読んだのが「ユートピア」
ですが、ミステリとしては今一つな印象でした。

湊かなえさんは「これだけ人気になっている人なんだから、もっと面白い本があるに違いない」と、非常に評判の高い「告白」を読んでみることにしました。

※ネタバレがあるかもしれません。古い本なのでご了承ください。

映画化もしましたね。
見てないですが、主演の松たか子がクールな表情しているビジュアルを覚えています。

「告白」は、一晩であっという間に読み切りました。
湊かなえさんは「イヤミスの女王」と呼ばれているそう。
「イヤミス」とは「いやな気持になるミステリー」だそうです。
読後感が悪いってことですかね。

読んだ結果からいうと、「読後感が悪い」というのとは微妙に違う気もしましたが、「解決してすっきりした!」ということはなく、いろいろ考えさせられました。
これが「イヤミス」か。
でも正直「ユートピア」より「告白」のほうが断然面白かったです。

 

物語は、中学校の先生の幼い娘がプールで水死した事件から始まります。
警察には事故死と判断されてしまったけど、実は先生の担任生徒2名が殺人していた……というのが根底にあります。

「告白」というタイトルの通り、1つの事件に絡む人たちの独白集のようになっています。
なので、章ごとに視点が違う。

担任クラス全員の前で、事件の真相を告発する先生。
告発後の同級生の手紙。
告発された生徒Bの母親の日記。
告発された生徒Bの記憶のフラッシュバック。
告発された生徒Aの回想と、クライマックスに向けエスカレートしていく行動。
そして最後にもう一度先生。最終的な復讐。

というような感じです。

1つ目の先生の「告白(3月の終業式の日)」以後は、4月以降の描写。
先生の告白によって大きくゆがんでいったクラスのこと、生徒Aへのいじめ、生徒Bのひきこもりのことを中心に、事件の回想が挟まれます。

視点が違うと、同じ出来事の解釈が違ったり、意図が違ったりします。
導入の先生の「告白」は大筋であっているのですが、実際にやった生徒の意図は違っていたり、生徒と親の考えのずれだったり。

1つの出来事に対して、それぞれが思っていることは全然違う。
思っていることが違うと「なんでやったのか」も当然違う。

すべての物事はこうなんだろうな。
出来事は一つであっても、根拠とか理由やそこへの感じ方、あるいは他人からの理解なんかは、その人それぞれの見方によって全然変わってくることを、肝に銘じておくことが必要だ、と感じました。

当たり前っていえば当たり前のことなのですが。

 

それにしても、展開はスピーディで、物事への多面的な切り口がどんどん進むので、ガンガン読めました。
勢いよく読めるということは、引き込まれて面白いということ。

読むうちに、
「どれが真実なのか?」
「実は、どれも真実じゃない?」
「偽ってないものはどれだろう?」
と混濁した感じになりました。

中学生のいわゆる「厨二病」的な感じとかもよく出ていました。
度が過ぎるとこうなってしまう例です。
「あなたのため」といいつつ、自分のことしか考えてない大人もたくさん出てきます。
そんな人たちは自分の中も含め実際に多かれ少なかれいろんなとところに存在するので、ますます「いやな感じ」を残すのだと思います。
そこが「イヤミス」と呼ばれるところなんでしょうね。面白い。

ラストには一応の決着(先生の、生徒Aへの復讐)がなされるのですが、これは若干蛇足な感じもしました。
最後まで精神攻撃みたいなのだけで終わらせたほうがよかったような……。
(生徒Aのほうは、本人への当初の精神攻撃だけでは復讐にならなかったというのもあるかもですが)

 

これを書く前に、2回読みました。
1度目は何も知らない状態。展開に翻弄される感じ。
2回目は全部知っている状態で読むことで、自分の視点も変わって、「ここでこう言ってるが実は……」と思いながら読めるので、深層を探りながら読む感じで、こちらもおすすめ。

 

久々にちょっとだけ読書熱が上がっているんで、またなんか面白い本ないか探してみよう。

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