こんにちは、つたちこです。
熊本に走りに行ったときに、どうしても行きたかった展示がありました。
それが「熊本城×特撮美術 天守再現プロジェクト展」です。
http://www.camk.or.jp/event/exhibition/tenshu_saigen/
このブログではあまり書いてないような気がしますが、私はミニチュアが大好きです。
ただし見るの専門。
作ったり集めたりはしません。
昔から小さくて細かくリアルに再現されたものが大好きでした。
ミニチュアの種類やサイズは問わず、ドールハウスから食玩、ジオラマに鉄道模型まで。
とにかく小さな世界が大好きです。
以前の会社にもミニチュア好きがいて情報交換などしていたのですが、その人が昨年秋くらいに教えてくれたのがこの「熊本城×特撮美術 天守再現プロジェクト展」。
最初に教えてくれたのは、「このプロジェクト展の展示制作にボランティアで参加できるみたいよ」という情報でした。
ミニチュア好きではあるものの、熊本までボランティアで通うのはちょっと厳しい……。
仕事もありますし。
なのでボランティア参加はあきらめたのですが、この「熊本城を再現する」という展示はぜひ見てみたかった。
期間は2017年12月16日から2018年3月18日(日)まで。
お、熊本城マラソンの日程とかぶってる!
というわけで、ボロボロの足でも美術館くらい行けるでしょう! とマラソン翌日に行ってきました。
熊本市現代美術館に行ってきた
会場は熊本市現代美術館。
熊本城マラソンのスタート地点のすぐそばでした。
月曜が休館日じゃなくてよかった(さすがに走った当日は行くの無理でした)。
ホテルからは歩いて1kmほどだったので、荷物を置いて、リハビリかねて歩いていきました。
雨天でしたが、ずっとアーケードの下を通っていけたので便利。
弱った体にはありがたいです。
熊本市現代美術館は、おしゃれなビルの3Fにありました。
エスカレーターで登ると、美術館の入り口。
荷物置きロッカーもちゃんとあってありがたい。
展示の入り口前に、熊本城天守閣の模型が置いてありました。
え、いきなり? と思ったら、これはもともと「天守閣の中に置いてあった模型」なんだそうです。
以前の改修の時に使ったとか。
これだけでも十分すごいです。
こういうの残しておくから、次の改修に役立つんだな。
いよいよ入場料を払って、中に入ります。
大人1000円でしたが、JAFカードを持っていたので800円で入れました。
(初めてJAFカードが役に立った……)
写真撮影はフラッシュなしならOKだそう。うれしい。
むしろ、ぜひ撮影して、SNSで発信して盛り上げてほしいそうです。
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広くて天井の高い部屋の最初には、熊本地震のときに落下した瓦と、崩れた石垣の一部。
痛々しいです。
でも石垣の石をじっくり見られる機会も少ない。こんなに大きな石が積んであるんだな。
昔の人は人力でこれを積んでいたわけで、ほんとすごいな。
そのあとはいよいよミニチュアの登場。
今回は1/20と1/25で再現されているそうです。
おお! 大きい!
展示は4つの島に分かれています。
熊本城の大小天守閣、熊本城の宇土櫓、そして商店街の街並みと、住宅街の街並み。
展示物は、特撮美術、つまりウルトラマンなどの特撮映像撮影の技術を使って再現されているのだそう。
商店街や住宅街は、既存の特撮用建物(大道具?)を使ってセッティングしているんだそうです。
これがすごくよくできてる!
商店街道路ごしに見る風景は、さっき渡ってきた道の風景だ! とわかった時に、すごく興奮しました。
住宅街から見る風景も、実際の風景とは違うのだと思いますが、お城の周りに住む人はこんな風に天守閣がそばにある存在だったんだなあ、と実感。
もちろん実寸とは違いますが、ああ、熊本の人はこうやって普段の生活の中にお城を見ながら暮らしてきたんだな、と胸が熱くなりました。
その大事にしていたものが壊れたときのショックも、想像すると本当に苦しい。
天守閣もじっくり拝見。
めちゃくちゃ精巧にできてます。
これはすごい……!!
瓦の模様とか、壁の板目とか、石垣の色とか、本当にすごい。
さっき見た、本物の瓦の模様と同じ模様が刻まれているんですよ!
よく作ったな……!!
さんざん堪能してから移動すると、ミニチュア制作時の苦労がわかるコーナーがありました。
屋根瓦を、いかにそれらしく作るか。
板壁をリアルに見せるには。
さらに企画から制作、展示までをまとめたビデオがあり、常時上映していました。
このビデオは絶対見るべき!!!
熊本城の模型は、一から設計されているんですね。
このために作ったのだから当たり前ですが。
特撮美術の職人さんたちの叡智を集結! というかんじ。
よくこんなの作ったね!! すごい!!! と心から拍手したいです。
普段映像で映った時に「本物っぽくみえる偽物」を作る人たちが、いかに「直に見ても本物に見えるか」にこだわって作ってました。
ビデオを見てから、もう一度ミニチュアを見ると、全然見る目が変わります。
あそこでこだわった作り方によって、こんな風に見えるのか……!!
と、感動がさらにアップ。
胸が熱くなります。
時間帯によって、夕暮れや夜のライトアップも再現されていて、これもまた「熊本城はこうあったんだな」と思わせられます。
なんだか泣きそう。
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あと、こちらもすごい! と思ったのが、1/500の「熊本城城郭模型」。
なんとこれは、1960年に作られたものだそう。
1960年て、昭和35年!!
これは熊本城を中心に、城下町や武家屋敷まで表現してあって、おそらく江戸時代とかだと思われます。
ものすごく緻密で、起伏や川などの地形まで再現してあります。
私は熊本の地形をよくわかりませんが、地元の方が見たら、「ああ、あそこね」ってなるんではなかろうか。
鳥になった気分です。
前日に走ったマラソンのゴール地点を思い出し、坂の上に建つお城までのコースを思い出したりしました。
これを登るんじゃ、大変なはずだ。
近寄ってみると、家一軒一軒もよくできてまして。
1960年って言ったらレーザーカッターもないから、完全手作業だよね。これ。
すごすぎる。
どれほど膨大な時間がかかったんだろう。
その情熱にまた感動してしまう。
もう一つ、「阿蘇神社」も特撮美術で再現されていました。
こちらもニュースで見ました。
楼門も拝殿もつぶれてしまっていましたよね。
こちらも復興中で、まだ完成は見えていません。
これの再現モデルも、とても緻密。
下のほうからみると、その場にいるように思えます。
迫力ある屋根瓦の曲線、木組み、木目の感じ。しめ縄まで。
よくできてるなあ……。
巡回展は予定なし。是非熊本に見に行くべし!
帰り際、この展示がほかの地域を巡回する予定があるか聞いてみました。
ですが、巡回予定はなく、作った特撮模型は今度どうするか検討中なんだそうです。
あんなに素晴らしい作品がお蔵入りになってしまう可能性がある!?
なんてもったいない。
全国を回ってあの素晴らしいお城模型を見てもらえばいいのに……。
(そして復興の寄付も募るといい)
そんな簡単にはいかないんですかね。
せめて本物のお城がまた見えるようになるまででも、熊本市内のどこかに常設したらいいのに。
なので、残り展示期間は少ないのですが、行ける方はぜひ見に行ってほしいです。
ほんとにすごい迫力ですよ!
シンボルとしての熊本城の強さ
ところで東京出身の私は「お城のある町」に住む気持ちを知りません。
東京のお城は皇居だからね……。
天守閣はないので、どちらかというと東京ど真ん中のお濠の向こうにある森という感じ。
代わりにシンボルになるものって何だろう、と考えたとき、私含め、多くの都民にとってのシンボルは東京タワーかも。
私は東京といっても多摩04地帯出身なので、東京タワーが年中見えるわけではないですが。
でも旅行に行った帰りとか、モノレールや新幹線で東京タワーが見えると、なんかこう「地元に帰ってきたわー」と実感してちょっとほっとする存在でした。
(スカイツリーはまだそこまで思い入れがないなあ)
熊本城は、きっと、熊本市民にとって街を歩いてて見上げるといつでもある、帰ってきたとほっとする、そんな存在なのではないでしょうか。
震災後、「壊れててもいいからライトアップしてほしい」という要望が強く、1か月半ほどでライトアップ再開したんだそうです。
これはきっと、熊本城がみんなの心の拠り所だからですよね。
夜にいつも見えていたものが見えないと、心細さが増しそうです。
震災から1年半、まだまだ大変だと思いますが、心から復興をお祈りしています。
熊本城のほんもの天守閣も見たいです。
http://www.camk.or.jp/event/exhibition/tenshu_saigen/
おまけの背景
背景を見ていたら、いろいろ遊んでいらっしゃる模様。
紹介した以外にもいろいろいました。
(私にはわからないキャラもたくさん……)
探してみるといいかも!