こんにちは、つたちこです。
久しぶりに心動かされるまんがです。
「邪神の弁当屋さん」がとてもいい。
「高さを出す事、隙間を埋める事。丸い形も歪な形も、型に入れば同じ事」レイニーは一日一善をモットーにする弁当屋であり、実は謹慎中の『神』。戦争を引き起こした罰を受け、今は人間として生活している。相棒ニワトリのチュンちゃんに、歌手を夢見る同居人のダリア、弁当を買ってくれるお城勤めのライラック。様々な者と共にレイニーは生きる。かつて邪神と呼ばれた彼女が生きる理由は今のところ‥‥『明日の弁当のおかずを考える事』である。
『邪神の弁当屋さん』既刊・関連作品一覧|講談社
全然前情報なく読み始めて、あっという間に引き込まれました。
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後で知りましたが、いろいろなマンガ賞にランクインしているそうです。納得。
最初にタイトルを読んだときは、「また異世界ものの食べ物マンガかな…?」と思ったのでした。
ファンタジー、というより「異世界」まんがが流行って随分たちます。
普通の異世界では飽き足らず、いろんな変化球がありますが、食を絡ませたものも結構見かけます。
邪神に生まれ変わった主人公が、現代のお弁当を作って活躍する……みたいなものを想像してしまいました。
が、「邪神の弁当屋さん」は全然違いました。
ほのぼのとした印象の均質な線で描かれる絵とは裏腹に、しっかりファンタジー、気持ちにずーんと届く悲しみ、優しさ、人を思う愛。
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軽いやりとりにニコニコしてしまうシーンの直後に、主人公レイニーの薄暗い悲しい気持ちが現れたりする。
軽妙さとシリアスさが交互に現れてもスムーズに読み進められるバランス感覚がすごい。
絵の可愛らしさの中にもしっかりした画力を感じるし、安心して読み進められる。そして気づけば弁当屋さんの世界観にどっぷり浸ってしまうのでした。
書き文字の可愛さが、不穏なシーンではますます不安に感じる要素になるのも面白い!
これは作者のイシコさんならではなのでは。
最近最終回を迎え、全部で16話、コミックスは4巻(2026年1月発売)で完結のようです。
最後まで集中して読める面白さでした。というか、終わってしまって悲しい。
レイニーの四角い卵焼き、食べてみたい。
