こんにちは、つたちこです。
10月から始まった「海に眠るダイヤモンド」、観終わりました。
とても面白かったのだけど、言葉にするのが難しい。
ミステリーとしても、人間ドラマとしても、「そうくるか……」の連続でまったくダレることがないというか。濃密な時間でした。
最終回は2時間。選挙で放映できなかった分、9話10話をまとめて放映されたようです。
私は泣くことはなかったのですが、観終わったあとに鉄平のことをずっと考えてしまってます。
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なにも悪いことをしていないのに、幼い甥(誠)と義姉を助けるために自分が殺したと嘘をついて、命を狙われる日々。
おそらく常に緊張を強いられ、定職にも付きにくく、安定もしない。なにより、愛する人と生き別れて連絡も取れない。
「相手が諦めるまで」というよくわからないゴール。
それが自分が犯した罪のせいならまだしも、何ひとつ悪いことしてない。むしろ常に人のために生きてきた、善人の塊みたいな人なのに。
想像しかできないけど、なんて厳しい人生なんだ。つらい。
途中で、もう重荷を下ろそう、という気持ちになることもあったのでは。
朝子の人生や活躍を新聞などで見る機会もあったかもしれない。
それでも、最期を過ごしたという自宅の庭に咲く一面のコスモスが象徴するように、一生を朝子を思い続けて一人で生きてきた。あとから考えるほどに胸にぐっときます。
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朝子(いづみ)は、最後に鉄平の思いを知ることができて、当時叶わなかった鉄平からのプロポーズも受けるという夢のような景色を見て、人生まるごと肯定して前向きに終わるわけですが、鉄平のことを考えるとなんだかもうそれも辛くなってくるのだった。
鉄平の最期はそんなに悪いものではなかっただろうと、あの最後の家をみて思ってはいるんですが、それでも辛いであろう時間が長すぎた。
そんな辛く厳しい時間の中でも端島の人たちのために再就職先の情報を集める鉄平。「外勤さんだから」で終わる人の良さではなかろう。なんなの。
これまでも「いいな、よかったな」と思ったドラマは数ありますが、登場人物に対して、こんなふうにずっと思いを馳せることはあまりなくて、ちょっと戸惑っています。
なんか、ぼんやりしているとうっかり鉄平のことを考えて、ちょっとつらくなるのだった。
それにしても、野木亜紀子脚本の素晴らしさよ。やっぱり野木さんのドラマはハズレがなさすぎて素晴らしい。正月ドラマも楽しみです。
そして鉄平と玲央の2役を演じた神木隆之介くんの圧巻の演技。朝子役の杉咲花ちゃんの幼い顔から大人への変化。役者さんもすごい。
録画データは残してあるので、また頭から見直してみようかな、と。