NHKドラマ「空白を満たしなさい」柄本佑さん、素晴らしかった…

こんにちは、つたちこです。
NHKの土曜ドラマ「空白を満たしなさい」をようやく見終わりました。
抑揚を押さえて、でも重厚で緊迫感があって、とても面白い(興味深い、という意味のほうの)ドラマでした。
観た後に、ずしんとおなかに重いものが入るような気持ち。
こういうドラマは、やはりNHKのすごさを感じます。
(がっかりするドラマもあるけども)

扱っているテーマは「自殺」というかなりセンシティブなもので、ドラマ冒頭に注意書き、終わりにはいのちの電話などの自殺防止相談の連絡先が入ります。

「あなたは亡くなったんです、3年前に」
ある日突然、身に覚えのない己の死から復活した男。
会社の屋上から転落したというが、全く思い出せない。
最愛の妻と幼い息子を残して、なぜ自分は死なねばならなかったのか……?
答えを追い求める男がたどりつく真実とは……。

空白を満たしなさい – NHK

3年前に亡くなった主人公が生き返る、というSFサスペンス。
主人公だけでなく、「復生者」と呼ばれる生き返った人々が多くいる世界です。
まるで昨今のウィルス感染のように「今日〇〇でまた復生者が発見されました」なんてニュースになってる、でもそれ以外はほぼ普通と同じ世界。
みんなが働いて、生活して、生きている。

突然死んだはずの人が生き返ってきたら当然びっくりしますが、その生き返った本人も困惑するわけです。
死んだときの記憶がある人もいるようですが、主人公はその記憶を思い出せず、ずっと記憶を手繰り続けるのです。

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主人公は全く死ぬ気はなかった。なのになぜ死んでしまったのか、その時何を考えていたのか。
本来、実際に死んでしまった人には絶対問えない「なぜ」を、生き返った本人自身が探し続けるのです。

自分は自死なんてしない、と誰もが思いがち(思いたい)な中で、実際は誰でも一歩横にそれれば踏み込んでしまうところにあるのかもしれないと伝わりました。
幸せな家族、充実した仕事、でもつらい苦しい気持ちを持っていても、押し殺して生きている。
前向きで明るくみえる人にも、うす暗い面は誰もが持っているもの。

家族との自分、会社での自分、友人との自分もそう。
人には多面性があって当たりまえ、そんなことも改めて痛感しました。自分が知っているその人は、その人の一面でしかないのだ。

タイトルの「空白」は、主人公がなくした記憶であり、主人公の妻の心でもありました。
最終回は、情報量がぎっしりでした。あわただしさは感じなかったけど、若干唐突な感じもしました。
(もう1話くらい妻エピソードがほしかった気もするけど、このくらいのスピーディさのほうがいいのかもしれない……)

とにかく主人公の徹生役の柄本佑さん、素晴らしかった。
会社員の顔、夫の顔、お父さんの顔、そして息子の顔。
「多面性を持つ普通の人」を見事に演じられていたなあと。
特に最終回で、お母さん(風吹ジュン)と一緒にいるときの「息子の顔」は、もうぐわっとわしづかみにされる感じでした。
あと妻を否定する妻の両親(いわゆる毒親)に対峙するシーン。
母の全否定を、笑って全肯定にひっくり返す、こんな力のある返し方ありか、と泣けました。

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最後の最後まではらはらさせられましたが、すぱっとキレイな余韻のあるラストでした。
(でも4歳の息子の璃久くんのトラウマにならないことを祈りたい)
全5話というコンパクトさで、この素晴らしいドラマが見られたのは本当によかった。

もうNHK+の見逃し配信は終わってしまった(最終回が先週だったので……私は録画したのを観ました)のですが、BS4Kで8月下旬から再放送があるようです。

参考:空白を満たしなさい – NHK

重いテーマで決して「楽しいドラマ」ではないのですが、これは見てよかったな……。
BS4K見られる方は、ぜひ。

原作も読んでみようかと思います。

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この記事を書いた人

つたちこ

フリーランスのwebディレクター。基本方針は、健康的においしい食べ物とお酒を楽しむこと。できるだけご機嫌で生きていきたい。
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