まんがメモ「私の少年」

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こんにちは、つたちこです。
以前から気になっていたものの読んでなかった「私の少年」を読みました。

この感情は、母性?それとも--。スポーツメーカーに勤める30歳、多和田聡子は、夜の公園で12歳の美しい少年、早見真修と出会う。元恋人からの残酷な仕打ち、家族の高圧と無関心。それぞれが抱える孤独に触れた二人は、互いを必要なものと感じていく--。「このマンガがすごい!2017「<オトコ編>第2位! 年齢や立場の違いを超えた二人の交流を描く話題作!!

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30歳の女性と12歳の少年、ていう組み合わせが、今ひとつピンとこなくて、読むに至らなかったのですが、読み始めてみると思っていたものと違ってとてもよかった。

こう、「逆・源氏物語」的なお話だと思いこんでおりました。
実際はもうちょっと複雑だし、ある意味とてもリアルでした。

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(以下、ぼかしつつもストーリーに言及してネタバレがあります)

偶然から、孤独でいて困っている様子の12歳の真修の世話を焼いてしまって、どんどんエスカレートした結果、真修の父にバレ、そこから会社にもバレ、地方へ異動(と言う名の左遷)。
蜜月は長く続かない。
そんな、うまくいかない。

ネグレクト気味な真修とそれを助けつつ親密になっていく二人だけの関係性の話、と思いながら読んでいると、実は聡子自身の家族の問題が大きく関係してました。
むしろ、後半はそちらがメインだったように思います。

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聡子と真修の関係は、なんとも名称が困る。
恋愛とも言いにくいし、母性ともちょっと違う気がするし。だから二人が他の人に説明するのがとても困るのがよく分かる。
ただ、お互いが大事で、そばにいてほしかったのだな。

後半の、大人がいくつになっても子供みたいなところがある、という描写もリアルだなと思いました。
聡子自身も、真修の父も、聡子の母も、子供のようなところが抜けきれていない。
でもそういうものだと思う。
私もいい歳ですが、精神年齢が実年齢には追いついていないと感じます。
子どもたちが思うよりも、大人は子どもの部分を残しているのかも。
聡子はそれを認めて大事にしていく描写があって、そこが一番なんだかぐっと来ました。
「私の少年」は「私の中の少女」の話でもあった。

最後は聡子は35歳か36歳くらい。
真修、16歳。
とてもいい関係で終りを迎えて、読後感がいい。

その年齢を経て今に至っている私は、
「素敵な結末。でもさらに将来、このままずっと同じ関係でいるのは難しいだろうな」
とちょっと苦い気持ちで思ってしまう。これから大人になっていく真修の世界は今よりもっと広がるだろう。

けど今現在のその瞬間は二人は大事に思い合っている。未来はわからないけど、それでいいのか。
そういう切なさを含めてのエンディングなのかもな。などと思いました。

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この記事を書いた人

つたちこ

フリーランスのwebディレクター。基本方針は、健康的においしい食べ物とお酒を楽しむこと。できるだけご機嫌で生きていきたい。
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