魔夜峰央原画展に行ってきた。雑誌で読んでた頃にはわからなかった直筆原稿の美しさに感動!

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こんにちは、つたちこです。
オタク心全開で「魔夜峰央」先生の原画展に行ってきました。
控えめに言って最高です。

今年は魔夜峰央先生デビュー45周年、そして「パタリロ!」100巻刊行記念として、原画展が行われたそうです。
※原画展部分は、写真撮影OKでした。
100巻! すごい!

魔夜峰央先生は、私の中で「こち亀」的な存在

魔夜峰央先生の代表作といえば、「パタリロ!」が一番知名度が高いでしょうか。
最近だと「翔んで埼玉」が話題になり、映画化してますね。

私は中学高校のころに「花とゆめ」「LaLa」を愛読していた白泉社育ち。
「パタリロ!」は、雑誌を読むときに、私の「メインディッシュ」ではないのですが、ないと困る感じでした。
劇的に大爆笑! とか感動! とかではないのですが、じんわりと毎回面白い、するめのような存在というか。

テーマやテイストも、ほかの漫画とは違っていました。
あの耽美な絵柄でシュールなギャグを連発する(そしてたまにじんわりさせる)のが素敵。
絵柄などが似ているわけではないですが、あの安心感・存在感は「ジャンプのこち亀」に似ているような気がします。

ちなみに、「パタリロ!」は今でもWeb上で連載が継続しているそうです。

魔夜峰央原画展 開催期間と場所


原画展の開催期間は、2018年10月12日~2019年2月11日まで。
約4か月と結構長めです。

ただし、開館日時が変則的です。
月・金は14~20時
土・日・祝は11~18時
年末年始(12月25~1月10日)も休館だそうです。

私は最初、木曜に行こうとして、やってなくてがっくりしました……。
行く場合は、日時にお気をつけて。

 

一見地味な「明治大学 米沢嘉博記念図書館」。サブカル資料てんこ盛りだそうです。

場所は、「明治大学 米沢嘉博記念図書館」の1F。
入場無料です。

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会期中に、展示内容の変更が回あるようなので、何度も行けるなら行きたいところ!
(私が見たのは、第2期の短編怪奇まんが特集」でした)

常設展ではコミケの歴史年表などもありました

いざ、原画展へ

平日夕方に行ったのですが、それほど広くない展示スペースに、まばらに人がいました。
混雑はしていませんが、ひっきりなしに誰かしらいる感じ。

みんな超熱心に原画に見入る(私も!)

魔夜峰央先生の原画を見たのは初めてなんですが、「きれいだ」という話は聞いたことがありました。
これが本当に真実であることをお伝えしたい。

「これ印刷物じゃないの!?」というくらい、美しい。

べた(黒)が多い原稿が多いのですが、その色のムラのなさ、まるで濡れたような黒色の美しさ。

コントラストが美しいのですよね。
印刷するとこうなる。

 

そして、修正がほとんどない。

漫画だと、失敗すると「ホワイト」を入れて対応します。
あるいは、効果として白い線を入れたりすることも多いと思います。
特に少女漫画の場合、キラキラさせるのにホワイトを使うのも多そうです。

でも魔夜峰央先生の原画の場合、ほとんどホワイトの跡がない。
あったとしても、最小限の書き文字の周りだけ、とか。
星を散らすようなところでも、ホワイトじゃなくて紙の白を塗り残して黒を塗っていると思われます。

パタリロの周りのきらきらは、あとから白をのせるのでなく、紙の色を残しているのでは?
ようやく見つけた「修正らしい」修正。
真ん中に貴重な(?)修正があります。

 

さらに、書き込みがすごい。
人物がうつくしいのはもちろん。
すべてペンで書いた背景が素晴らしい。
建物やインテリアの背景もですが、「効果線」もすべて手書き。
まんがというよりも、1枚1枚緻密でデコラティブなイラストを見ているようです。
※特に初期のころはスクリーントーンを全然使っていないのです。

初期作品で「裏切られた」シーン。複雑な背景で心の揺れを表してます。

なによりとにかく「線」がきれいなんだな……!!
近くでじっくり見ても、揺れがほとんどないのです。

扉絵は、レイアウトもすごく凝ってる。もちろん全部手書き。
近くで見ると、線の美しさと丁寧に描き込まれているのが伝わります。

あまりの美しさに、感動しまくりました。

雑誌で読んでいたころには、わからなかったなあ……。

 

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1つ衝撃だったのは、「バラを描くのは苦手で、アシスタントが書いてる」でした。
「パタリロ!」を始め、魔夜峰央作品には、耽美シーンが多数あり、バラの花もよく出てきます。
いつも均一のバラの花が描かれていたので、てっきり自分で描かれているものだとばかり。

「バラの秘密」のコメントがありました。

まあ、よく考えたらアシスタントに任せて当然ですか。
でもこのバラの花も、コピーか!?と思うくらいどれも美しかったです。(線もきれい!)
アシスタントさんも優秀なんだろうなあ。

 

原画の中に、植物をテーマにした漫画1本がすべて展示してあったのですが、その中に出てくるバラの花は、「パタリロのいつものバラ」とは違いました。
これがおそらく魔夜先生本人が描かれたバラでしょうか。
苦手なのに、バラがメインアイテムとして出てくる話を書くの、すごいなー。

左が私の知ってるパタリロのバラ、右が初期作品のバラ(魔夜先生が描いてる?)

 

あと、展示会場内では、「少女漫画の描き方」というビデオで、魔夜峰央先生が出演しているシーンがずっと流れていました。
おそらく80年代。

「効果線の書き方」をレクチャーしているビデオだったのですが、やっぱり線がきれいでした。
すごいなー。

一時、NHKで「浦沢直樹の漫勉」という漫画家の仕事を詳細に紹介する番組があってよくみていましたが、そこで見た中でも随一のきれいさなんではなかろうか……。
(きれいだけが漫画の価値ではないですが!)

会期は2月11日まで! 白泉社っ子はぜひ行くべし

ガラスケースの中にありますが、間近で見られます。

それほど広い会場ではないものの、その分間近で、じっくり思う存分見られて、満足でした!
あの美しさ、書き込みのすごさは、ぜひ生で見るべき。

怪奇短編漫画が1本丸ごと展示。

1人で抱えきれずにブログに書いておりますが、あのころ、白泉社まんがを一緒に読んでいた友達と一緒に見て、いろいろ感想を言い合いたい!!! と心から思いました。

お茶の水駅や神保町駅からそれほど遠くないですし、平日は20時までやっているので、近くの方はぜひ行かれるといいです。
目の保養になりました!

魔夜峰央原画展
https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-mayamineo.html

パタリロ!100プロジェクト
https://www.hakusensha.co.jp/patalliro100/

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この記事を書いた人

つたちこ

フリーランスのwebディレクター。基本方針は、健康的においしい食べ物とお酒を楽しむこと。できるだけご機嫌で生きていきたい。
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