森薫原画展「大乙嫁語り展」(写真多め)

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こんにちは、つたちこです。
北九州市漫画ミュージアムで開催中の「大乙嫁語り展」に行ってきました。
会期は1月28日まで、超ぎりぎり駆け込みですが、行ってよかった!!

写真:大乙嫁語り展 入口
見られてよかった!

19世紀半ば、中央アジアを旅するイギリス人旅行者スミスが各地で出会った “乙嫁”(美しいお嫁さん)たちを描いた漫画「乙嫁語り」。 『大乙嫁語り展』では、森薫先生直筆のカラー、モノクロ原稿を中心に 100点以上のボリュームで展示し、迫力の生原画を通して、 壮大な乙嫁の世界をじっくりとお楽しみいただけます。 肉筆イラストを通じて、スミス一行や、アミルら乙嫁たちの 軌跡と中央アジアの空気を、ぜひ会場でご体感ください。

北九州国際漫画祭2023 大乙嫁語り展 | 北九州市漫画ミュージアム

「乙嫁語り」は、途中までしか読んでいなくて、でも原画はぜひ見たい。
なかなかスケジュールが合わなかったうえに、ぎっくり腰までやらかしてしまいましたが、諦めきれずに行ってきました。

会場は、北九州市漫画ミュージアム。
小倉には何度か行ったことがありますが、漫画ミュージアムには行ったことがありませんでした。
駅近くのビルの5階にあります。

基本的に撮影OKなので写真多めです。
でも、すごい! これも! と撮っていくうちに、結局全部じゃないの…?? ってなりました。
どの原画もすごかった。私の写真では伝わりきらないと思いますが!!

「すごい」って雑な感想ですが、ともかく原稿が美しい。
くろぐろとしたシャープな線、力のある瞳、緻密な背景。
そして乙嫁語りの真骨頂ともいえる、服飾の柄やアクセサリーたちの書き込みの細かさよ。
これほんとうに全部手で描いたのか……!

写真:大乙嫁語り展 アミルさんの美しさよ
キリッとしたアミルさんもお馬さんも美しい。衣装の柄!馬の毛並み!
写真:大乙嫁語り展
淡い色合いバージョンも。緻密な柄がたまらん

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カラー原画も多数あり、表紙の原画はどれもその緻密さと鮮やかさに目を見張りました。
印刷に出きらないこってりとした色合い、グラデーション。絵の具の盛り上がり。
うつくしい。

写真:大乙嫁語り展
表紙は背景と人物でセット展示されてました。背景もとてもうつくしい。

モノクロの原稿もとてもきれい。
手書きの指定(スクリーントーンなどの)があるし、たしかに原画なのですが、まるで印刷物のようだ。
見開きページの迫力のすごさといったら。何だこりゃ。

写真:大乙嫁語り展
結婚式シーンの装身具がやばい。背景もやばい。

そして途中で気づいたのですが、森薫先生の原稿には、修正の跡がほとんどないのです。
気づいてから原稿を修正点を確認するように見ていったのですが、本当にない。

ホワイトを使っているのは、効果として書き文字の枠だったりキラキラだったりアイラインのまつ毛だったり。
それ以外のいわゆる修正、描き直したりはみ出しだったりがほとんどない。

以前、魔夜峰央先生の原画展のときにも修正がなくてすごいな! と思いましたが、それと同じくらい修正がなく、原稿そのものが美しい。

会場内のテレビで、以前行われた森先生のライブドローイングイベントの様子が流れていたのですが、下書きはもちろん行っていましたが、なんというか、ペンに迷いが全然ないのです。勢いがあるのにけしてミスがない。
そしてその中で「はみ出たものを消すのが時間の無駄なので(たしか)はみ出しそうなときはマスキングテープを枠に貼ってます」と実践されていました。
なるほど、だから線がはみ出さないのか。
それをしてもなお修正がないのはすごいですけども!!

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あと、原画のそばに同ページのネーム(構成)も小さく飾ってあるのですが、ほとんどがネーム通りでした。
セリフはもちろんですが、小回りも表情なども。
多分この段階で、森先生の頭の中には完全に出来上がりが見えているのだろうなあ。

どうしても印刷だと潰れてしまう線がいっぱいある(この印刷物は縮小されているので余計そうですが)ので、原画の繊細な描写がより際立つようでした。はーうつくしい。美しいしか言ってない。

写真:大乙嫁語り展
印刷状態、ネーム、原画の3点セットで飾られているので比較すると面白いです

人物ももちろん素晴らしいのですが、背景だったり、動物の躍動感だったり、先生渾身のフェチ部分だったり、これでもか、というほどの美しい原稿三昧でした。

写真:大乙嫁語り展
その時代を見てきたのですか? と聞きたくなっちゃうリアルさ。猫いそうよね。
写真:大乙嫁語り展
背景での説得力がすごい。街の人のイキイキした暮らしが伝わる…
写真:大乙嫁語り展
先生の持ってる「髪技術」をそそぎこんだそうです(髪の美しさを見せるのに数ページ使うのがすごい)

予想していたよりも原画点数も多くて、大満足です。
いいものを拝見しました。眼福。

ぎっくり腰も完全復活していなかったですが、無理にでも行ってよかったです。
ただ、展示が上下2段に飾ってあるのは、腰痛にはきつかった……!
(かがんでみるのがめちゃくちゃ大変。でも見たいので休み休みふんばりました)

写真:大乙嫁語り展
たくさんあるのは嬉しいけど、上下段は腰痛につらい(下段が)

しかし、デジタル全盛の今、こうしてアナログで描き続けてくれる漫画家さんは貴重なのでは。
デジタルだと「原画展」もできないですもんね(出力すればできるけど、印刷と変わらないし……)。
やっぱり生原稿はたまらんなー。楽しかったです!

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この記事を書いた人

つたちこ

フリーランスのwebディレクター。基本方針は、健康的においしい食べ物とお酒を楽しむこと。できるだけご機嫌で生きていきたい。
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