こんにちは、つたちこです。
車に乗っていたら、ラジオから懐かしい曲が流れてきました。
「チャイニーズスープ」。荒井由実です。
懐かしいので一緒に鼻歌を歌っていたら、オットは全く知らない様子。
前も古いユーミンの曲でこういうことがあったような。
↑ユーミン本人バージョンがあったので、貼ってみました。古いけどおしゃれ映像だなあ。
「なんだか、『みんなのうた』とかに出てきそうな面白い曲だね」
と、オット。
確かにちょっとコミカルな曲調でスープの歌、って考えると『みんなのうた』はありそうな。
でも私の中では、なんだかうすら怖い曲なのよね……。
って思ってから、思い出しました、怖い理由。
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新井素子だ。
10代のころ、小説家新井素子が大好きでした。
コバルト文庫から始まり、当時発行されてた彼女の小説はほぼ網羅していたはず。
その中に、「ひとめあなたに…」という本がありました。
パニックSF&ロードムービー的恋愛小説。
1週間後に巨大隕石が地球にぶつかることが判明、人類滅亡が確定。
東京・練馬に住む主人公が鎌倉に住む恋人に会いたくて徒歩で向かう、その道中で起こる出来事を描いた小説でした。
(記憶が確かならば)
(新井素子作品は、だいたい舞台が練馬)
あと1週間でみんなもれなく死ぬ、というときに、どう行動するか。なにをするか。
その、道中の出来事のひとつに、印象的に出てくるのが「チャイニーズスープ」。
理想的な妻。その妻がうっとおしくなり、正反対のタイプと浮気していた夫。
滅亡までの残り少ない日を、浮気相手のところに行こうとする夫を殺す妻。
愛するがゆえに、血液一滴たりとも相手に渡さない。夫のすべてを自分の中に取り入れて自分と一緒になるのだ、と、夫を解体、調理するシーン。
そこで妻が歌ってたのが「チャイニーズスープ」なのです。
煮込んで、シチューを作るシーンだったはず。
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陽気な曲調の「チャイニーズスープ」の
煮込んでしまえば形もなくなる もうすぐ出来上がり
という歌詞が、めちゃくちゃ怖く聞こえるのです。
猟奇殺人なのですが、妻本人は自分自身の理想を形作るために非常に淡々としていて、その日常っぽさが逆に狂気と恐怖感をあおるのでした。
もう数十年前に読んだのに、これだけ記憶が鮮明っていう。ものすごいインパクトだったのです。
思い出して来たら、もう一度読みたくなりました。
相当古い作品だし、古本か図書館しかないかな……と思ったら、新品も電子書籍もありました。
Amazonに試し読みがあって、冒頭数ページが読めます。この文体の感じ、ものすごくなつかしい……!!
1981年に発表された作品だそうなので、色々古い表現とかありそう。
って思ってましたが、まさにあった。
「C調」って今通じるのかなあ……。