「新選組!」スペシャル。総集編は見た人のためのもの

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こんにちは、つたちこです。
今週末から始まる大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
「真田丸」以来の三谷幸喜脚本ドラマで、非常に楽しみにしています。

三谷幸喜つながり、ということなのだと思いますが、正月に「新選組!スペシャル総集編」3本立ての再放送がありました。

※NHK+で1週間見られます。
新選組!スペシャル(1)「武士になる!」 – #三谷幸喜と新選組 – NHKプラス

「新選組!」は2004年に放映された大河ドラマです。
18年前!!
当時、毎週楽しくみていたドラマの一つです。
今見ると、キャストがほんと豪華です。みんな主役級だ。

当時、大好きすぎて、東京・日野にある新選組ゆかりの場所を見に行ったりしました。聖地巡礼。
日野は副長土方さんの出身地です。
そして局長近藤さんは、東京・調布の出身。
二人とも、田舎の農家出身なのです。ここ重要ポイントです。

さて、今回「新選組!」が再放送されると聞いて、またあのワクワクした感じが楽しめる! と思ってました。
オットに聞いたところ、「見たことがないので見てみたい」とのことで、一緒に録画した1回目を見ました。

ですが、途中からなんかこう、違和感が出てきます。

話がわかりにくい。

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1年間放映された大河ドラマをスペシャル(70分強×3本)にまとめたのだから当たり前ですが、話が飛びまくります。
登場人物もどんどん新たに出てくるのに、名前は表示されますが詳しい説明はなし。
特に「新選組!」は群像劇なので、登場人物がものすごく多いのです。
メインの9人ですら「いつのまに?」という感じで勢ぞろいしている。なんでここに一緒にいるんだっけ?

当時見ていた私ですらそうなのだから、見てなかったオットからすると、「わちゃわちゃしてて、よくわからない」になってしまいました。

オットは1のみで脱落。
スペシャル2と3は、一人で見ました。

2、3も、同じくものすごい圧縮具合なのですが、その割に「ここはこんなに尺とるんだ」というシーンもあります。
おそらく、当時大好評だったシーン。

たとえば、義母との和解シーン、山南さんの切腹シーン。

思ったのは、大河ドラマや朝ドラの総集編は、「それまで見ていた人たちのためのもの」なんだなということです。
見ていなかった人に楽しんでもらうというよりは、全部見ていた人にダイジェスト版を提供、という感じ。
1年間見ていた人なら、説明不足気味なダイジェスト版でも脳内補完してくれるから、多少話が通じにくくてもOKなのですよ。
もう一度全部見るのは無理だけど、いいところを中心に思い出しながら見直したい! みたいな需要にこたえているのでは。

私は当時、山南さん切腹シーンを本編とスペシャル×2回で合計3回見て、3回とも泣いた覚えがありますが、今回はまったく泣けませんでした。
細かいシーンや関係性、それまでの出来事をすっかり忘れてるから、山南さんへの思い入れが薄かったってことだと思うのです。

というわけで、あの思いをもう一度、のためには全部見直さなければならないですが、現実的ではないので、あきらめました。笑
完全版DVD、売ってましたけどね……。

一方、スペシャルを最後まで見たら、このまとめ方の意図がちょっとわかった気がしました。
近藤勇が、コンプレックスを解消するために、いかにがんばってきたか。
基本的に、これに集中しているのですね。

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近藤勇のコンプレックスとは、多摩の百姓出身ということ。
武士の家に養子になったものの、出自は変えられず、ことあるごとに「百姓出身」を言われるのです。
(その「武士の家」の養父母も、実は百姓出身。実は近藤家に武士の生まれは誰もいないという話が、1で義母の野際陽子から語られるのです)

だから「武士より武士らしくある」ことを目指していて、「才能や努力ではなく出自で選ばれる(あるいははじかれる)」ことをものすごく嫌うのだな。
「武士とはこうあるべし」を人一倍気を使っていた近藤さん。

最後のほうで、新政府軍に連行され、偽名を使って切り抜けようとします。
ですが新政府軍の中に元新選組の隊士がいて、顔を見極めに越させられます。
隊士は顔を見て、何も言わずにいるのです。
近藤さんは最初睨んでいた(言うな、という圧力かな)のだけど、途中でふっと顔を緩めて「お久しぶりです」と自ら近藤勇であることを認めてしまうのです。

「もう疲れた」というのもあるかもしれないけど、元隊士に噓をつかせて偽名を使ってまで生き延びるのは武士らしくない、というジャッジがされたのでは。

そして最後の斬首シーンでは義母をはじめとした周りのギャラリーから「よく戦った」「多摩の誇り」「武士の中の武士だ」と声をかけられるのです。

誰よりも武士らしくありたいと、ずっと持っていたコンプレックスが解消された瞬間なのかな、と胸が熱くなりました。

これは、2004年当時見ていた時には思わなかった感想でした。
短くまとまったものを改めて観たからこそ、わかる心情なのかも。

あと、もう一つ思ったのは、かつらの技術が、今ってすごいんだなあ、と。
今の時代劇(青天を衝けなど)って、かつらの境目がほとんどわかりません。「新選組!」だと髪の生え際でしっかりわかるんですよね。
4k8k対応で、技術は18年でだいぶ進歩したんだなあ(あと背景セットも)。

ともあれ、三谷幸喜ドラマが面白いのは鉄板なので、「鎌倉殿」も楽しみで仕方ないです。
週末から見ますよ!

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この記事を書いた人

つたちこ

フリーランスのwebディレクター。基本方針は、健康的においしい食べ物とお酒を楽しむこと。できるだけご機嫌で生きていきたい。
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