「新・映像の世紀」は全員一回見ておくべきでは…

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こんにちは、つたちこです。
12月に入ってから、NHKでは戦争に関するコンテンツがたくさん放映されています。
今年は8月がオリンピックで、その手の番組が少なかったからでしょうか。

先日再放送された「新・映像の世紀」シリーズを、ここ数日、毎日のように見ました。
(番組は2015年10月~2016年3月にNHK総合にて放送されたものです)

NHKスペシャルは好きですが、このシリーズは見ていませんでした。

キャプチャ:NHK新・映像の世紀 公式サイト
NHKスペシャル「新・映像の世紀」公式サイトより

映像は、人間の罪と勇気を照らしだす。

ムービーカメラの発明から100年余り。
映像は、人類が蓄積した膨大な「記憶」である。大反響を呼んだ「映像の世紀」から20年。
NHKは、新たに発掘した映像を最新のデジタル技術によって修復、新シリーズとして薄れゆく人類の記憶をよみがえらせる。
歴史を追体験し、その教訓を未来に引き継いでいく6本の大型シリ-ズ。

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全部で6本あります。
映像で見る、近現代史です。

どれもものすごくヘビーな内容で、見た後はかなり気持ちが沈みます。
だけど、これは今を生きる人たちが、みんな見ておくべき番組なんじゃないかな……と主語を大きくして言いたくなってしまう。

私は歴史(世界史も日本史も)が非常に苦手科目でした。
歴史の授業って、暗記科目でしかないと思っていたのです。
その暗記が苦手で仕方なかった。

ですが、いい大人になってから大河ドラマや歴史系まんがなどに関心を持ってみてわかったのですが、歴史とは「なんでこうなった」とか「どう考えたからこうなった」とかの、誰かの選択や時間の流れの連続なのですね。

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いきなり今が現れるわけではないし、過去の出来事も点で存在するわけではなく、前後のつながりがあって存在する。
いま、どうしてこうなっているのか、をたどっていった先が、歴史なのだな。
そのことを、最近になってようやくわかった気がします。遅すぎる理解。

で、「新・映像の世紀」です。
映像カメラが発明されてから約100年。
膨大なアーカイブ映像からピックアップして編集された、非常に生々しい映像です。
もちろん編集されているので、これもあくまで一面であり100%ではない、と思いつつ、歴史に弱い自分にとっては十分すぎる衝撃でした。

第1集の「第一次世界大戦」は、本当に「なんで21世紀の今現在がこうなってしまったか」の原因がてんこ盛りで、途中で何度も動悸が激しくなりました……。

第1集は特に長い(72分)し、内容も映像もめちゃくちゃヘビーだし、見るうちにどんどんやるせない気持ちになってきます。
こんなひどいことになっちゃうの? と何度も目を覆いたくなる。

なのですが、中東情勢とかイスラエルとパレスチナの問題とか、そういう今あるたくさんの混乱が、「そういう状況があるな」という「点」じゃなくて「なんでそうなったのか」の原因がこれを見ると少し理解できます。

2集3集も、第1次世界大戦であんなにひどい状態になったのに、どうしてさらに第2次世界大戦を起こしてしまったのかの流れなどがわかります。

いろいろ胸に渦巻くものがあるのですが、私が今回初めて「そうだったんだ」と思ったのは、ヒトラーがなぜ多くの国民に支持されてたのか、です。
恐怖政治で国民をしばるだけで、あんなに狂信的になるものなの? と疑問でした。
ヒトラーは第1次大戦後の不景気時に、大規模公共事業で多くの国民に仕事と給金を与えたのだそうです。
結果、景気がよくなり、劇的に生活がよくなった。
独裁者ではあったものの、多くのドイツ国民にとっては当初救世主だったのですね。そりゃ、ヒトラー支持しますよ。

一方で、ヒトラーのアーリア人優性思想をベースにした、そこから逸脱する人たち(ユダヤ人を中心に障がい者やロマ族など)への迫害が進んだのですが、自分が対象でなければ問題ない、と目をつぶっていたのかもしれません。

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そうして支持を得たあとで、どんどんひどい戦争や虐殺に突き進んでいってしまったわけです。

この「自分が対象じゃないから」と目をつぶる問題、現在でもほんとあるあるだ……。
いつ自分がその「対象」に含まれるようになるかもわからないのに。
今現在の自分の行動を振り返ることにもつながるな、と心臓が痛くなる感じでした。

他にも時間の流れと出来事のつながりが、映像で理解できることが多く、自分的にはとてもいい番組でした。
「いい」という表現があってるか、うまく言えないんですが、知らないところに連れて行ってくれた、という感じ。
全然系統はちがいますが、「青天を衝け」が、江戸から明治、大正、と現在に連なる歴史を見せてくれたのとちょっと似ているかも。

あとこれは番組本体ではないのですが、ずっと疑問に思っていたことを、番組をみた機会に調べました。
そもそも、ユダヤ人はなんで迫害対象になった? という疑問です。
発端は約2000年前、ユダヤ教徒が宗教上の信仰の違いから差別を受けるようになったのがはじまりなんだそうです。
2000年。なんて根が深い。
その長く深い差別が、ナチス政権で虐殺対象になったと。
この辺は、欧米・中東圏あたりの人は当たり前に理解しているのだろうか。ほぼ無宗教の私には感覚がわかりにくいですが……。

参考:
ナチス時代の被害者: ナチスの人種的イデオロギー | ホロコースト百科事典

なぜ、ホロコーストは起きたのか

ほんとに知らないことばかりです。無知は怖い。

第2次大戦時に、戦争をしらない若い世代が、喜んで手をあげて笑顔で戦争に参加していく姿も目に焼き付いてます。
知らないってことは、どんなことが起こるかわからない。いいことしか耳に入らないし政府側も入れないしね。
だから、このコンテンツは、ほんとにいつでもだれでも見られるようにしてほしい。
中学生とかに義務教育で見せてほしい(非常にえぐいシーンも多いけど、戦争とはえぐいものだと知らないとダメなんだと思った)。

NHKオンデマンドでも見られます。

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この記事を書いた人

つたちこ

フリーランスのwebディレクター。基本方針は、健康的においしい食べ物とお酒を楽しむこと。できるだけご機嫌で生きていきたい。
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