セミナーレポート「!important #08 -パーソナルブランディングと伝える文書術とLT-」

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こんにちは、つたちこです。
2018年3月17日に「!important #08 -パーソナルブランディングと伝える文書術とLT-」に行ってきました。

https://important.fun/tickets/important08/

今回のテーマ、「パーソナルブランディングと伝える文書術」は、私にとっては、フリーランスとしての悩みどころと、仕事で欠かせないテキストコミュニケーション術ということで、どちらも興味のあるテーマです。
また、今回は!important初のLT(ライトニングトーク)もありとのことで、こちらも楽しみでした。

 

セッションはこちらの順番。

  1. LT:現場歴22年のWebディレクターの元、一期生としてマンツーマンで5年間、Webディレクターをやってきた話 / 平野尚史さん(株式会社サービシンク)
  2. 売りこまなくても仕事が舞い込んでくるパーソナルブランディング / 草間淳哉さん(株式会社ウェブエイト)
  3. ディレクターとして意識すべき、“誰がどうみてもそうとしか受け取れない文書”術 / 名村晋治さん(株式会社サービシンク)

順に、概要と私の気になったことをまとめます。

LT:現場歴22年のWebディレクターの元、一期生としてマンツーマンで5年間、Webディレクターをやってきた話 / 平野尚史さん

!important #08 -パーソナルブランディングと伝える文書術とLT-
撮影:鍋坂樹伸さん(サン・スタジオ)

 

前社で「お使いディレクター」だった平野さんが、サービシンクの名村さんのもとで「考えるディレクター」に成長したお話。
同じディレクター職として、とても共感できるLTでした。

特にある程度慣れてきた時ほど、つい、それまでの経験や既定路線からの提案をしがちです。
そこをもう一方踏み込み、自分の考えた提案、企画を疑い、突っ込む癖を持つようにすることが大事とのこと。
「考え抜く」ということが、今では平野さんの癖になっているそうです。

 

特に響いたキーワードは「自分が気づくことは自分の知っていること」
つまり、自分の知らないことには気づけないのです。

今回のお話では、高級層ターゲットの不動産屋さんサイトの事例がありました。
(庶民の自分が)「高級層(セレブ)」の視点でサイトを見れているか、どういう心理になるか、と考えることは、簡単なようで難しい。
どうしても自分視点になりがちです。なぜならセレブじゃないから「知らないことに気づけない」から。
ペルソナを作る、とまでいかなくても「このサイトの利用者は、どんな人でどんな生活をしているか想像してみる」のは大事なことですね。

売りこまなくても仕事が舞い込んでくるパーソナルブランディング / 草間淳哉さん

!important #08 -パーソナルブランディングと伝える文書術とLT-
撮影:鍋坂樹伸さん(サン・スタジオ)

 

続いて、草野さんのパーソナルブランディングのお話。
そもそも「パーソナルブランディング」には、顧客目線と自分目線と両方のメリットがあります。

顧客目線のメリット

  • 自分の要望とのミスマッチがなくなる時間短縮
  • サービスを買う時のリスク軽減
  • サービス以上の心からのつながりが持てる

自分目線のメリット

  • 相見積もりがなくなり、価格競争に巻き込まれない
  • 営業をしなくてよくなり、向こうから仕事が舞い込む
  • 必要とされることで、満たされ、幸福度が上がる

 

ここで大事なのが、「相手の思う価値と、自分の提供できる価値がイコールになること」
できないことをできるといって、実際うまくいかなかったら、お互い不幸になる。よくわかります。
そのために、自分の持ってる・できる価値をきちんと正しく相手に伝えること、それが「パーソナルブランディング」なのだそうです。

 

このセッションでのグランドルールは「客観的にとらえること」

ここで最初のワークがありました。

ワーク1>初対面の人の印象を伝える。
どんな職種か、どんな趣味か、仕事のやり方は、生活は…? などを、隣の人同士で話します。
これはつまり、ぱっと見の自分の印象が、自分の思ってる姿とどれくらい違うかを確認するワークです。

あくまで「客観的」にどうか、ということが大事なので、率直に見た目の印象を伝え、相手の言葉も素直に受け取ります。
(相手の受けた「客観的な自分の印象」であることを、受け止めます)

 

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なるほど、そんな風に見てもらえるんだな……と、なかなか興味深かったです。
私の本来の姿とは違ってましたが、「できればそう見せたい」という希望的なものを汲んでくれたようにも感じます。
そしてかなり気を使って言葉を選んでくれたような気もします。笑

 

ワーク2>自己紹介で答え合わせ
実際のところを自己紹介して、答え合わせしました。
私の印象を伝えた相手の方は、趣味系部分ではちょっとあってましたが、他は結構違ってました。
私も相手に自己紹介。お互いのずれをすり合わせます。

ここにずれがあるということは、印象=ブランディングが間違っている、ということにつながります。

 

パーソナルブランディングの流れは、いくつか方法があり、全部やるのは難しいので、ここでは自分を知るための技法のひとつ「キャリアグラフ」をやってみます。
草間さんの「キャリアグラフ」を例に教えていただき、次に自分のキャリアグラフを作ってみます。

!important #08 -パーソナルブランディングと伝える文書術とLT-
キャリアグラフの例(草間さんの書籍より)

 

ワーク3>キャリアグラフを作ってみる
白紙の真ん中に横線をひき、横軸は、自分の年齢の経過です。
縦軸は幸福度、充実度。上半分がプラス、下半分がマイナス。
学生時代からのバイトに始まり、お金をもらうようになって以降、自分の人生を振り返り、幸福度、充実度がどうだったかを書いていきます。

これをまた、お隣の方とお互いに説明。
これは結構ハードル高い(黒歴史満載……)と思いましたが、開き直ってお伝えしました……。

!important #08 -パーソナルブランディングと伝える文書術とLT-
私の黒歴史が赤裸々に…。

 

ここで教えてもらったのは「お金をもらうことと、幸福度は違う」ということ。

賃金が安くても幸福だった時もあれば、逆のこともある。
自分が何をしていたときが幸福だったのかを知ることで、本当は何をしたいのかを洗い出すわけです。

 

!important #08 -パーソナルブランディングと伝える文書術とLT-
撮影:鍋坂樹伸さん(サン・スタジオ)

 

このあとでマーケティングも必要になります。
「3C分析」で「顧客が求め」「自分ができて」「競合がいない」ことは何かを探します。
(ここは簡単に見つかるものではないので、じっくり検討の必要ありですね)

 

ワーク4>「ストーリーテリング」でパーソナルアイデンティティを伝える
「ストーリーテリング」とは、物語の力です。
面白い物語には一定の法則があります。

  • 逆境を乗り越えるパターン
  • パートナーを見つけて障害を乗り越えるパターン
  • 夢を見つけてハードルを乗り越え成功するサクセスストーリーパターン

キャリアグラフをもとに、自分の平凡な人生を、どれかの法則で物語にしていくのです。

考えたストーリーのポイントをもとに、先ほどのペアの相手に、「自分のプロフィール」として2分で自分物語を語ります。
ここで「2分」と多めに時間を区切ってもらいましたが、「実際に話す機会があったとしたらそんなにじっくり耳を傾けてもらえない、せいぜい1分とかですよ」と草間さん。

1分で、自分のキャリアを起承転結付きで、相手に興味を持ってもらえるように語る。
うーん、難しい。
ここで重要なのは、単に経歴を伝えたいわけではなく「面白い、そんな人に仕事を頼みたい」と思ってもらえる話にすることがカギですね。

 

この後は、ブランド浸透するための話。
メディア掲載、サロン運営、LINE@、facebookをはじめとしたSNS投稿などのお話でした。

私自身がすぐにどうこうする、というのはあまりなさそうですが、SNS投稿については考えさせられました。
正直、ほとんど使えていません。
以前別の方の話でも「(SNSで)役に立つと思われることが重要」と聞きました。
仕事重視でSNS運用するなら、そういうことしていかないといかんな……。

草間さんもおっしゃっていましたが「できるところからやっていく」のが大事、とのことです。

何が成功かは人によっても違うので、成功=ゴールを考え、そこに行くためにどういう手段をとっていくのか、という点をよく考えたいと思いました。

 

草間さんの著書も買ってきましたので、改めて拝読します(今回のセミナーの内容がさらにパワーアップした感じで入っているようです)。

!important #08 -パーソナルブランディングと伝える文書術とLT-
「自分1人、1日でできるパーソナルブランディング」ピンク色がかわいい。

 

ディレクターとして意識すべき、“誰がどうみてもそうとしか受け取れない文書”術 / 名村晋治さん

!important #08 -パーソナルブランディングと伝える文書術とLT-
撮影:鍋坂樹伸さん(サン・スタジオ)

 

最後のセッションは、Webディレクター歴20年を超えるベテラン名村さん。
その名村さんのディレクターとしての仕事で一番重要なのは「ジャッジ(決断)すること」。
そして、その決定事項を周りに伝えていくのに必要なのが「文書術」です。

「誰が見ても」「そうとしか受け取れない」文書というのは、その仕事にかかわってない人でも、立場や職種が違っても、です。
ここで伝達ミスをなくすことで、コスト削減、そして業務改善につながる、ということでした。

 

まずよくあるだめな文書の例で一番多いのは「目的語不在」。

  • 何の話をしているかわかってるのは自分だけ。
  • 空気読め、行間読め、は、あとから見たときにわからない。
  • うまく伝わらないのは、受け取る相手ではなく、100%自分の発信方法に責任がある。

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あるある……とうなづきまくり。

ちなみに、名村さんは、協力会社の方があまりに文書術が下手すぎて仕事がめちゃくちゃ滞るので、文書術セミナーをやらせてほしいとお願いしたんだそうです(そして受講してもらって業務改善した)。
すごい……。

 

では、こうすべき、という文書術とは。

  • 要件、結論をまず書くことで、相手が話についてこれるようにする。
  • そののちに、具体的な内容を書く。
  • 思考を垂れ流さない。整理して同じ言葉を繰り返さない。
  • 指示語は「一文字も間違えていない正しい名称」をきちんと書く(繰り返す場合も正しい名称を書く)。
  • 見出し、リスト表示、レイアウトで理解しやすくする。
  • Webサイトの話をする場合は、URLなどは具体的に記述する。
  • メールの件名で、内容が5割わかるようにする。

などなど。

 

総じて意識すべきはこちら。
「指示を出すひとが持つべきは、どうしたら相手が間違いなくやりやすいか、の思いやり」。

ヘルプで入った人にもわかるか、あとで見てもわかるか、似たものに勘違いされないか、など、いかに間違えない様に指示を出すかが大事ということです。

そこまで丁寧に指示を書くのは一見面倒なようで、あとから「聞き返されない」「間違えずに作業してくれるからやり直すことがない」からやり取りの回数も減り、本当の意味での業務効率化につながるのです。

 

実際に、「クライアントの依頼メールを見て、マークアップエンジニアに指示メールを書く」というワークがありました。

まずは自分ひとりで書いてみて、そのあと同じテーブルの5人で見せ合って確認しました。
同じテーブルに、ちょうどマークアップエンジニアの方がいたのですが、画像の形式まで指示を書いていたことが結構衝撃でした。
そうか、そこまで書いたほうがいいんですか……!

ほかの方の考え方も、やっぱり自分のやり方と微妙に違ったりして、とても参考になりました。
メール冒頭に、指示件数を書くのは2名いて、好評でした。

 

LTで平野さんのいう「自分が気づくことは自分の知っていることだけ」というのはこういうことにもつながりそう。
こういうセミナーで、講師の方だけでなく、ほかの参加者さんのやり方・考え方を知れるのは、自分の意識の幅を広げることにつながるなーと思います。

 

私自身、ディレクターとしてもほかのお仕事でも、テキストでコミュニケーションをとることが多いです。
メール、チャットワーク、Slack、メッセンジャー、などなど。

普段、自分でも気を付けているポイントが多数出てきたりしていたので「ああ、間違ってなかった」と思う点もあり、一方、まだまだ意識が足りてなかった、という点もありました。

こういう形で、総合的にまとめて、講義できる形になっているのは、本当に素晴らしいです。

 

そして講義を受けながらずっと思っていたこと………。
この名村さんのセミナーを、私の以前いた会社の人と、お付き合いをしているWeb制作会社さんの担当さんに受けていただけると、とても仕事のはかどり度が増す気がします。笑
推薦しようかな。

最後に

濃密な5時間でした。
いつもながら、終わった時は脳みそが「ぷしゅー」と音を立てているような気がします。
とても勉強になりましたし、楽しかったです。

そして、今回、初めて「!important」のお手伝いをさせていただきました。
といっても、出来たことはほんとにささやかなことでしたが、初めてスタッフ側として入らせてもらって、スタッフの皆さんの多方面への心遣いに胸を打たれる感じでした。
いち参加者としてはわからない一面を見られました。
またお役に立てればいいなあ。

懇親会も初めて参加させてもらいました。
なんというか、こういう大人数でワイワイと飲むの、1年ぶりくらいな気がします。
仕事のことも仕事以外のことも、いろんなお話を聞けて楽しかった。
そしてちょっと調子に乗って飲みすぎました。反省!

 

一部写真は、カメラマン鍋坂樹伸さん(サン・スタジオ)の写真をお借りしました。ありがとうございます!

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この記事を書いた人

つたちこ

フリーランスのwebディレクター。基本方針は、健康的においしい食べ物とお酒を楽しむこと。できるだけご機嫌で生きていきたい。
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