こんにちは、つたちこです。
「ブラック企業」って、いつからこんなに市民権を得た言葉になったんでしょうかね。
土曜日に、セミナー「!important #07 -伝えるデザイン、伝わるデザイン-」に行ってきたのですが、その中で思ったことを余談的に書きます。
セミナーの最後に、質疑応答がありました。
比較的最初のほうの質問で、こんな発言がありました。
「今はワークライフバランスとか働き方改革とかで時短が叫ばれているし、実際自分の周りもそうなっている。
自分が若いころは、深夜残業や徹夜も当たり前の世界だったけど、その分頑張っていたしスキルも上がった。
今の新卒の子とかに同じようにやれとは言えないものの、その『時短』感覚がわからないから、どういうふうに若い人にアドバイスしたらいいか」
……みたいな感じでした。
正確でなかったらすみません。
この方の言葉、すごく刺さりました。
私も同じだったからです。
今はフリーランスなので、自分で調整して働けるようになりましたが、かつて勤めていた会社では、ものすごい長時間勤務が当たり前でした。
長時間勤務=ブラック企業……はちょっと違うのではと思いますが、たぶん世間的に見たらりっぱなブラック企業勤務だったと思います。
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特に最初のころ。
会社は不夜城状態で、常に誰かしらが泊まり込んでいる感じでした。休日出勤頻度も多かった。
私は、何もできないような状態からのスタートだったこともあり、とにかく必死でついていきました。
ちょうどインターネットバブルのころで、仕事は山盛り。いくらやっても次がある感じ。
そして私はできないことだらけ。
だから仕事が遅い、仕方ない、覚えないと。
そんな感覚でした。
仕事自体は面白かったことも多いです。
必死で企画を考えて提案して仕事が取れればうれしいし、ローンチして結果が出ればやりがいもある。
いわゆる「やりがいの搾取」というやつでしょうか。(「逃げ恥」でいうところの)
でもがんばった分、評価もされたし、お給料も徐々に上がりました。
自分が客観的に見てもレベルアップしたんだ、と実感できて嬉しかった。
だから、ここ数年の時短の波で、以前ほど残業してなくても「仕事が多い・残業多い・つらい」と嘆く後輩には、なんて言ったらいいのかわからなかった。
「これくらい我慢しろ」とも言いたくないし。
講師の長谷川さんの答えは、精神論はもちろんNG。
成果(数字など客観的なもの)をもとに、ロジカルに伝えて育てるのがいい、というお話でした。
それもとても納得いく答え。
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こういう「働き方」話の時にいつも思ってしまうこと。
ひどい働き方ではあったけど、今の私を作ったのは、あの時の必死さだよなあ、と。
今、こうしてまがりなりにもフリーランスとして仕事できていること。
仕事を頼んでいただけているのは、めちゃくちゃ頑張った期間があったからこそ。
その時に培ったスキルと信頼関係と経験値みたいなものがごっちゃになって、いまの仕事につながっている。
無駄になった経験は、たぶんないのです。
もっとスマートに仕事ができて、スキルアップ出来て、信頼を築くことができるなら、それが一番いい。
でも、あの時、泥臭くもがきながら必死で働いていたころのことは嫌いじゃないのです。
それで得たものがたくさんあるので。
(なくしたものもありますが)
もちろん、ほかの人にも同じようにやれ、とは思わない。
めちゃくちゃ大変でしたし。
「もう一度、あのぐらいがんばれ」と言われたら「もう無理です」と答えます。
仕事の環境や状況はどんどん変わっていくので、結局人それぞれやり方は違うと思うのだけど、自分のやってきた道はちゃんと自分で認めたい。
あの時の質問者さんと、お酒でも飲みながら「すっごいわかります」と話がしたい感じです。笑
(あー、どうしてもポエムっぽくなってしまうなあ、こういう話……)
(あと、私自身は前職場を「ブラック企業」だったとは思ってなかったりします。わりといい人間関係だったからかな。「グレー」企業ぐらいかな……)