読書メモ「行動経済学まんが ヘンテコノミクス」を読むと、日常の行動経済学が見えて面白い!

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こんにちは、つたちこです。

「経済」やお金のお話について、もう少し知っておきたい。
今更ですが、知らないことが多すぎる。

そんな気持ちで、昨年くらいからぽつぽつとその手の本を読むようになっています。

今回買ったのは「行動経済学」の本。
「ヘンテコノミクス」って、ちょっとふざけたタイトルに見えますが、立派な行動経済学の本でした。

そもそも行動経済学ってなんだ 

表紙の見返しに「行動経済学」の説明として、こんな風に説明されています。

今までの経済学は、「人間は必ず合理的な経済行動をするもの」
という前提で構築されてきました。
ところが普段の私たちは、それでは説明できない
非合理なふるまいを多くしています。
行動経済学とは、従来の経済学では説明しきれない人間の経済行動を
人間の心理という視点から解明しようとする新しい経済学です。

(「行動経済学まんが ヘンテコノミクス」より引用)

 

私は、「従来の経済学」すら知識が足りないのですが、知っておきたいことの一つとして「行動経済学」がありました。

以前、「ファスト&スロー」(ダニエルカーネマン)を読もうとしましたが、翻訳語特有のあの言い回しや難しい説明に、上巻途中で挫折してしまいました……。

 

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今回読んだ「行動経済学まんが ヘンテコノミクス」は、ピタゴラスイッチで有名な佐藤雅彦さんと、その愛弟子的な菅俊一さんが企画と原作、「バザールでござーる」などのアートディレクションをしている高橋秀明さんが漫画に書き起こしたもの。

雑誌「BRUTUS」に連載していたものを大幅加筆してまとめたものだそうです。

読書メモ「行動経済学まんが ヘンテコノミクス」

先に書いたように、一度「ファスト&スロー」で挫折済みの私。
もっとわかりやすくなったもので理解したいところ……。

佐藤雅彦さんは、クリエイティブディレクター。アイデアをわかりやすく表現する人、という認識でした。
なんで「行動経済学」の本を? というのがまず疑問。

とはいえ、あの、佐藤さんが作った本。
ぜったいわかりやすく説明されているに違いない……! と思って買いました。

難しい説明がなくて「あるある」話ばかり!

サイズは変形B5サイズ。ハードカバー。それほど厚みはありません。

中は、1テーマにつき、1話完結の漫画になっています。
さらに補足する解説付き。
全部で23のテーマが入っています。

テーマの内容は、行動経済学用語(?)でいうと、こんな感じ。

  • アンダーマイニング効果
  • 極端回避性(きょくたんかいひせい)
  • フレーミング効果
  • 感応度逓減性(かんのうどていげんせい)

などなど……。

用語だけ見ても、拒否反応が出そうな感じです。

でもこの本だと、それが「あるある!」とすごく納得できる行動例としてまんがになっているので、その用語がどういう行動や心理を示しているのかが、とても分かりやすい。
1つのテーマに割いているページ数も、4、5ページと短いので、空き時間にするする読めてしまいます。

読書メモ「行動経済学まんが ヘンテコノミクス」
感応度逓減性(かんのうどていげんせい)の話。わかりすぎる…。

 

読書メモ「行動経済学まんが ヘンテコノミクス」
極端回避性(きょくたんかいひせい)の話。これまたよく見かける光景だし、自分も選びがち!

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あ、そういうことね!
とか
あそこで見た広告は、これを活用してるな……。
とか、
本当に、自分の日常にあふれている「行動経済学」がよくわかります。
さらっと読んでも、「へー!」と納得してしまいます。

でもたぶんそれだともったいない。
もうちょっとじっくり読んで、ほかにどういう例があるか、とか、自分の身の回りのこれがテーマに当たるな、とか、置き換えて考えると、より納得感が増して、覚えられる気がします。

世の中のもの、ほんとに「行動経済学」だらけです。
ついつい人間がやってしまいがちな心理を踏まえて、どう活動すれば経済が活発になるか、ということかもしれません。

「昭和感あふれる絵」の理由が面白い

この本のメインとなっているのが、テーマを表現したまんがです。
これがなんとも昭和感あふれる感じの、まんが。
佐藤さんの作品というと、つい「ピタゴラスイッチ」や「だんご3兄弟」などのシンプルな線で書かれたイラストを頭に浮かべてしまいます。

何でこの絵なんだろう……と思っていたのですが、あとがきを読んで納得しました。
佐藤さんと菅さんが「行動経済学」をわかりやすく表現する手段を探っていた時のこと。

「行動経済学で扱っている内容が、買い物とか食事とか一般の人が日常やっていることばかりなので、いっそ、行動経済学がバックグラウンドになった脚本を作って、サザエさんのアニメーションを作っている人たちに、どうぞこれを使ってくださいと、プレゼンテーションしてみるっていうのはどうでしょうか?」

(「行動経済学まんが ヘンテコノミクス」P156 より引用)

そこから発展した結果、既存の「サザエさん」に頼らず、自分たちが新しい「サザエさん」を作ればいい! ということに至ったのだそうです。
だからこの昭和テイスト……。

最初は古臭い感じで、少し違和感がありました。
でも読み続けていくと慣れますし、むしろちょっと愛着も沸きます。
内容自体は普遍的なことを書かれているので、流行りのテイストや女性向け・男性向けじゃないことが、誰にでも受け入れやすくしているのかもしれないです。

「行動経済学」を知ると、ものの見方が変わるかも 

この本で描いてあることを読むと、先にも書きましたが「こういうこと、あるある!」ということばかりです。
日常はもちろん、ウェブの世界でも。

むしろ、世の中のウェブサイトは、行動経済学の様々な手法を取り入れて、成り立っているのね。
仕事でも活用できそうです。

いろんなものを見聞きしたり行動したりした時に「あ、あの手法だな」とか、「わたし、まさに相手の術中にはまってる!」とか、「あの時こうしてしまったのは、この心理状態のせいか」とか、どこかで冷静に、多面的にみられるようになれる、そんな本になりそうです。

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この記事を書いた人

つたちこ

フリーランスのwebディレクター。基本方針は、健康的においしい食べ物とお酒を楽しむこと。できるだけご機嫌で生きていきたい。
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