こんにちは、つたちこです。
昨日に引続き、福岡のデジタルマーケティングイベント(セミナー)「デジタル神無月2017」の2日目のレポートその2です。
https://tsutachi.co/blog/2017/10/digital-kannnazuki-2-1/
お昼休憩をはさんで4セッション。
後半も面白くてためになるお話がいっぱいでした。
Contents
フィード型広告のままに記事のままに 僕は君だけを流入施策に使いたい
2日目のセッションタイトルは、いろいろパロディが多いですね。
記事LPと、そこへリンクする広告バナーのお話です。
記事LPとは、通常のLP(ランぺ、と呼ぶ人もいますね)のような一枚の縦長のWEBページではなく、ニュースやメディア/ブログのような記事風にした縦長のWEBページのことを指します。広告配信をする際に広告の飛び先ページとして準備する「読み物」としてのLPになります。
(公式サイトより引用)
LP(ランディングページ)をランペと略すのは初めて聞きました。
記事LPを作るときの3つのポイント
- ユーザー情報接触頻度の多いアプリで使う
- 各アプリを使う時のモチベーションを考える(ヤフー、スマニュー、インスタ)
- ユーザー心理を損なわない「情報型記事ページ」で有益性を伝える
一番意識すべきは「ユーザーはSNSに広告を見に行っているわけではない、情報を取りに行っている」ということを年頭に置くこと。
記事LPで大事なのはCTR
CTRとは、「Click Through Rate」の略で、広告がクリックされた頻度(クリック率)を表します。
ここでクリックされないと記事LPが読まれない、入口が大事、ということですね。
主に記事LPへのリンクは、インフィード広告など、その媒体の他の記事になじむように作られます。
なので「広告風」だと敬遠されてクリックされません。
写真は「投稿写真風」「素人感」が大事、つまりUGC風のものがよくクリックされます。
※UGCとは「user generated content」。利用者(ユーザー)によって作成されたコンテンツの総称で写真や動画などの他、感想や商品レビューなども含まれます。ここでは、主に写真や動画のことを指しています。
テキストも、第3者視点の調査、口コミ、など、「信頼できる人からの紹介」を意識するといいとのこと。
記事LPの内容
届けたいユーザーごとに、作るべき記事は違う、というお話でした。
たとえば、何か商品を売りたいとして。
- オーディエンス向け記事は、目的が「共感値の向上」なので、身近なストーリーが適している(素人女性が使ってみた、など)
- リタゲ向け記事は、「安心感と不安の解消」が目的。気になっている商品を「買わない理由」をつぶす(商品開発者が顔出しでユーザーからの質問に答えるQA方式など)。
アプリメディアと記事LP
アプリメディアは、毎日接触するようなニュースアプリなどのこと。(ヤフー、スマートニュース、グノシーなど)
毎日接触するからこそ、長期的なコミュニケーション設計が必要とのことでした。
つまりいつも同じ記事LPへのリンクを出していたら飽きられてしまいます。飽きられないような工夫が必要です。
リンクについては、広告テキスト、広告バナーで検証をすること。
訴求軸(テキスト)×表現軸(バナー)で、マトリックスを使い、かけ合わせパターンで検証と傾向の可視化を行うとよいとのことでした。
この辺もとても地道な作業ですが、大事なところなんですね。
マトリックスを使って検証していく話は、別セッションの「ソーシャルアカウント運用」のバナークリエイティブの話とも同様に思いました。
結局何が当たるかは、いろいろしらみつぶしに調べていくのが一番確実なんだな。
レコメンドウィジェット型広告
これは、記事本文の下に表示される「おすすめコンテンツの一部」として表示される広告のこと。
記事を読んだ後に見られる広告になるので、記事親和性の高いユーザーに見られることになります。
記事は「訴求がすべて」とのことで、訴求決めに最大工数をかけ、その後、わかっている勝ちパターンでフォーマット化して記事を作るのだそうです。
この「訴求」についても、事前調査(競合、自社、ターゲットなど)が重要とのことでした。
最近よく見る記事LP、やっぱり広告は広告っぽいよな、と思ってしまうのですが、それは私はひねくれているからかな。
「勝ちパターンでフォーマット化」というのが、広告っぽさを出しているような気もしました……(でも「勝ちパターン」なので実績出ているということよね)。
SEOにまつわるエトセトラ
なぜSEOが必要なのか、という基本の問いからスタートしました。
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結局、オーガニック検索(自然検索)で到着するユーザーが大半であり、全部を広告しようとしても割に合わないのがわかっている。
だから「最初の接点を作るため」にSEOが必要。
たどりやすい道を用意してあげる、みたいな感覚でしょうかね。
SEOの目的としては、以下3点。
- 自社(商品)を知ってもらう
- よい体験から、関係づくりをして信頼を得る
- 自社を選んでもらう
この目的のために、ユーザーの選択肢の一つになれるようにSEOしていくとのことでした。
SEOに一番必要なのは、ペルソナ設計。
検索ユーザーを具体的にイメージし、検索シチュエーションを考える(5W1H)。
ペルソナの心理状況、検索状況、悩み、原因、解決策、根拠、まとめ、なにがほしいかなどなど。
ペルソナがあることで、チームでイメージ共有できて、どういう人に向けて書くかが明確になります。
これ、SEOだけでなく、サイト制作や記事やクリエイティブすべてに共通する、必要情報ですね。
ペルソナ自体も、運営しながら解析結果をもとに、改善していくことが重要とのことでした。
コラムニストの東さんからは、記事タイトルのコツのお話。
3つポイントがありました。
- 読者への共感、悩み解決、お得感
- 読者への共感を強くする
- タイトルには「~できる●●」と書くとクリック率上がる
悩みが解決できることをタイトルで伝えて、クリックしてもらうのがポイント(いい記事でも、クリックされないとみてもらえない!)。
時間がなくて、この辺慌ただしくてちょっと残念でした。もっと聞きたかった。
個人的に、東さんがTwitterでやっていらっしゃる「#タイトル職人」がとても面白いので、フォローしました。笑
(いろんな記事のタイトルのいいところや参考になることをツイートしてくれる、生きた事例集みたいな感じです)
リアルタイム”推敲” ~ コンテンツライティングに必要な文章推敲 ~
ウェブライダー松尾さんの、リアルタイム推敲。
「文賢」のリリース後だったこともあり、個人的に期待のセッションでした。
まず、なぜ推敲が必要か。それは記事を読みやすくするためのもの。
読みやすくすることで得られるのは、こんなメリット。
- 読み手の「文章を読むモチベーション」が上がる
- こちらが伝えたことが伝わりやすくなる
- 内容を理解してもらえる
「わかりやすさ、読みやすさ」とは、読み手に優しいコンテンツを用意するということ。
読まれてなんぼ、なので、このへんは本当に共感します。
さて、「文賢」ですが、これはウェブライダーが開発した、文章校正・校閲ツール。
私の周りのオウンドメディアにかかわる界隈でも、話題になっていました。
https://rider-store.jp/bun-ken
「文賢」は「違和感」を直す基準をツール化したもの。
違和感とは、間違った日本語や失礼な言葉などを指します。
読み手に違和感を持たれることによって、記事が信頼を失なったり、共感されなくなったりします。
違和感をなくし、読み手との信頼関係をちゃんと結ぶことで、読み手が行動してくれるようになる、とのこと。
つまり、記事とは誰かに何かを届ける、読み手とのコミュニケーションツールなのです。
相手との距離感に気を配り、コミュニケーションを意識した文章を書くことが重要。
「文賢」はそれを誰でも同じような基準でできるようになっている、という素敵なツール。実際に試してみたいなー。
松尾さんのリアルタイム推敲は、ポイントをもとに実際に直しながら進みました。
推敲のポイントをいくつか。
- いらない文章を除く。当たり前のことをくどくど書かない。
- 箇条書きを使って情報を取得しやすくし、読む側の脳を楽にする。
- 「問い」を入れて読む側に考えさせる → 一瞬でも考えてから答えを出すことで納得感を強化する。
- 説明や論理が足りないところは追加して、親切に!
- 話者を明らかにして人となりを見せる。
- 読み手との距離が適度に近づくフレーズ、語尾を使う。
などなど。
これらのポイントをもとに実際の「違和感」が若干残る文章を推敲して、説明しながら修正していったのですが、最後までたどり着く時間が無くなってしまいました。
うわーん、残念です。
最後に、コミュニケーションをよくするためには、できるだけたくさんの視点をインプットすることが重要、といのことでした。
PCではなく、リアルコミュニケーションをとるとか、本や漫画を読むとか。
(漫画は基本対話なので参考になる、と松尾さん談)
言葉の使い方、大事にしていきたいと思いました。
それにしてもタイムオーバーが残念すぎる……。
リアルタイム”解析” ~ ヒートマップでPDCAを回すには?~
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最後のセッションもリアルタイムシリーズ。
こちらはヒートマップ解析のリアルタイム版でした。
合計4名のヒートマップ解析のプロの皆さんが、実際のLPとそのヒートマップ解析をみながら、分析結果をコメントしていきます。
ヒートマップ解析とは、通常のアクセス解析ではわからないようなユーザーの行動を、見た時間やクリックした場所などから解析するもの。
ヒートマップは改善施策の正解を見つけ出すものだけでなく、課題や施策ヒントを見つけて「たぶん正解に近いだろう施策」に変換する補助ツール、とのことでした。
ヒートマップには2種類あります。
- クリックヒートマップ。クリックやタッチを可視化したもの。
- アテンションヒートマップ。閲覧エリアの可視化で、見られている時間を色で表したもの。
ここから、実際の画面を見ながら、壇上の皆さんがどんどん解析(というかツッコミ?)を入れていきます。
それぞれの思いが濃くてトークが熱い。
実際の画面を見ながら説明を聞いていると、「なるほどね!」ということだらけでした。
いろんな具体的な話が出ましたが、自分的ポイントはこんな感じ。
- ファーストビューにどんな情報を入れるかでアクションが変わる。
- アクションボタン(CV)にたどり着く情報設計や情報提供が重要。
- LPは長いのと短いのでABテストしたほうがいい。短すぎてもCVRが下がることもある。
- 閲覧されてないように見えても、停まっていないだけで見ている情報かもしれない。ヒートマップの色を過信しすぎない。考えることが重要。
当然ですが、ヒートマップ解析することが目的ではなく、「改善」のためのツール。
最初からページにヒートマップを導入して、仮説を立てて検証するために使うべきである、とのことでした。
「CV改善」という目的ありきのツール活用ですね。
このセッションも時間切れで、用意されていた全部が見られなかったのが残念。
まとめ(&改善要望……)
自分がまさに必要としているものから、今はまだタッチしてないけど今後のために知っておきたい情報まで、てんこ盛りの2日間でした。
各セッションはいろんなジャンルがあって、ものすごく興味があるものだけでなく、それほどでもないものも正直ありました。
でも実際に話を聞くと面白くて引き込まれ、自分の興味を広げられたという点でありがたかったです。
ただ、各セッションがすべて複数人で進める方式だったのが、もったいないなーと思うこともありました。
複数人ゆえに、全体的な時間が読み切れず、たいていのセッションが押せ押せになって最後がめっちゃ駆け足、あるいは最後まで話せない、みたいなことがほとんどでした。
時間なくて、後半の面白いところが雑な感じになりがちだったのが、とても惜しい。
いくつかのセッションは、一人の講師が全部話す、とかでも問題なかったのでは……。
(とはいえ、1つの話題にいろんな角度からの話を聞けるのも面白かったのですが。難しい)
そして、LINEでの資料配布は新しいな、とも思いましたが、わざわざキーワードを入力させる意味がよくわかりませんでした。
運営側からイベント終了後、普通にURLを全員にLINEメッセージ(あるいはメールで)送るのでは、だめだったのかな。
LINEだと、基本スマホでの利用なので、資料ダウンロードしてもそれをPCに転送(あるいはクラウドに保存)して見直す必要があるので、結構面倒。
「設定してみたので使ってみたい」みたいな感じがしました。
うーん。なぜこの配布方法にしたのか謎です。
一方、良かった点は、水がフリーで配布されたこと。これ意外ととてもうれしいです。
会場が天神駅から近くて行きやすいことも、きれいなことも、うれしい点。
チラシが強制配布じゃなかったところもよかった。必要なものは自分でとる形式、無駄にならずにうれしい。
なにより、いろんなジャンルのデジタルマーケの話を2日間に凝縮して聞けたこと。これ本当にありがたいです。
イチ参加者がいろいろわがまま言ってますが、1年に一度の400人規模の大イベントはすごい!
運営はとても大変かと思いますが、ぜひ来年も実施をお願いしたいです!
楽しみにしています。
「デジタル神無月2017」初日、2日目その1のレポートはこちら
https://tsutachi.co/blog/2017/10/digital-kannnazuki-1/
https://tsutachi.co/blog/2017/10/digital-kannnazuki-2-1/