【映画メモ】室井慎次、前編後編を見た結果

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こんにちは、つたちこです。
かつて、「踊る大捜査線」の大ファンでした。TVシリーズと映画1まではめちゃくちゃ好きでした。
途中からつまらなくなって離脱した組です。映画を見たのは2まで。スピンオフはほぼすべて見てません。
あれは2匹目のドジョウを狙いすぎたのだ。

で、2024年秋に公開した「室井慎次」前編後編。
当初見るつもりなかったのですが、2026年に踊る本編を公開すると聞き、「やっぱり見ておくべきか」と見てきました。

写真:室井慎次 敗れざる者
このポスターも色々言いたいこと多い…

公開後だいぶ経っていますが、一応アラートを。
ネタバレしています。そしてあんまり親切な感想ではありません。オタク語りです。

いやー、ひどかった。
こんなにひどい映画を見たのは久しぶりです。いっそすがすがしいほどのひどさ。噂は聞いていましたが、想像したのの更に斜め上を行く感じでした。
この映画は、テレビや配信で見ながら、みんなでビールでも飲みつつ随所でツッコミを入れながら見るのが正しい見方だと思います!

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前編は、ひさしぶりの「踊る」ってことでかつてのファンへのサービスがすごいな、と。
懐かしいメンバーや話題が色々出たり、かつてのコメディシーンを思わせるものであったり、やたら派手な捜査や登場だったり(ヘリで登場とか監視カメラをやたらつけるとか捜査員がめっちゃいるとかわざわざ警視庁が秋田まで来るとか)。
ああこういうの踊るっぽいな、というシーンがたくさん。

でも前編は起承転結のうち、本当に「起」でしかなかった。後編を見ないことにはなにも収まらない作りです。
仮にも2時間もあって、お金を出して見に来ているのだから、前編だけでもそこそこなにかしらの着地が欲しかったところ。

前編で一応解決したのは里子の長兄タカが、母を殺した犯人と対峙したところでしょうか。

で、後編。
前編のラスト「火事炎上で続く」も後編への引きとしては、なんというか手垢がついた感がありましたが、後編でそれがろくに回収されない。
消防も警察も「家族の問題」で済ませるな。しかも警察側が証拠隠滅教唆すんの、なんなの。
倉庫だけで母屋がなんの支障もなく完全に残るところがご都合主義にも見える。あんなに近くでごうごう燃えてるのに。(母屋が燃えると話が続かないからな)

とにかくいろんなことが雑。
室井さんの行動が雑。勝手に新たな里親になるな。子供が戻ってきちゃったなら、まず児相に報告しなさいよ。
子育て・教育も雑。嘘をついたら、万引きしたら、叱りなさいよ。叱らないのと怒らない・殴らないのは別でしょうよ。ただの放任でしかない。
児童相談所も警察も仕事が雑。元警察官キャリアだからって里親にふさわしい人物かわからないし。独身で子育て経験なしの男性になんで託すかな。しかもまだ小さい子を。やたら派手に捜査するけど仕事できてない警官、一般人になった室井さんに情報ダダ漏れなのもどうなんだ。そうしないと話が進まないからって適当すぎる。
事件解決も雑。「犯人と思われる人物からの電話です!」って、誘拐ならまだしもなんで殺人犯が警察に電話してくる必要性があるんだ。しかもなんで犯人からってわかるんだ。で、結局どうやって殺人犯の場所を見つけたとか全然説明無し。往年の踊るを思わせる「かっこいい(と本人たちが思っている)確保シーン」があればいいでしょ、みたいなふうにしか見えない。あの部分は本広監督の趣味映像だと思う。
全部日向真奈美のせいにすればいいと思ってんのかな。そうなるべく伏線があればまだしも、口で全部説明(しかも妄想で確たる証拠なし)してんじゃない。
ご近所のいろんな人物との関わりも、伏線も雑だし回収も雑。全部終わったあとに種明かしすれば「回収」って思ってんじゃなかろうか。ひどい構成だ。
子供3人で室井ハウスに残ってんの、なんなの。全員未成年なのに、ご近所がたまに面倒みりゃいいってもんじゃなかろう。仲良くなった3人で残りたいのはわかるけど、子供だけでジャッジできる問題じゃない。「僕たちで決めました」じゃないっつーの。児相仕事しろ。

はあはあ。オタクの早口です。すみません。

あまりの酷さに、途中何度も笑ってしまいました。なんじゃこりゃ。
この映画、何がしたかったのだろう。
室井引退後の話なら、里子関係だけに集中したほうがまだよかったのでは。地味だろうけど。で、2時間で終わらせてほしい。

一番笑ってしまったのは「犬が…犬が離れません!」です。何度も「犬が離れない」言うな。
あれ、泣かせるつもりで作ったシーンでしょうか。笑ってしまったよ。
しんぺい(犬)はあとから一匹で戻ってくるし。室井さんと一緒に保護されたんじゃないんかーい。室井さんが雪の中探しに行く必要はほんとになかったっていう。

私は「踊る大捜査線」が大好きでしたが、もうこれは「その時好きだった室井さんの映画」って感じがぜんぜんしなくて、同じ柳葉敏郎が演じているものの、「室井さん」という別の人の映画って感じでした。

だから結末も、「あの室井さんが…!」っていうより、「ひどい映画の主人公の行動が最後まで謎だしアホだったな」って思ってしまったというか。

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最後にいいところもちょっとだけ。
この2本の映画で一番よかったのは、ロケーションと風景の映像でした。

本物(だと思う)の美しい星空のタイムラプス、本物の雪国の深い雪。道路の汚れた雪の塊。伝わる寒さ。暗い色の針葉樹林。
池の畔の室井さんのお家も素敵でした。
あのインテリア含め室井さんが一人でDIYして作り上げたかと思うとニヤける。(前編で、うまくリフォームできなくて地団駄を踏んでいたのも笑った。「秋田移住&古民家再生」Youtuberとかやれば人気コンテンツになりそうだ)

ところで、映画の最後に「青島、君に託す。」というキャッチコピーで次作「踊る大捜査線NEW」っていう映画が作られる予告がありました。
青島が主役みたいです。

「託す」って何を? 警察の改革は新城さんが「室井プラン」(このネーミングもどうなの)を作ってましたし。
TVシリーズは民間から転職した刑事なりたての若手が反発していたから面白かったわけで、未だに「青島コート」を着ているような50代おじさん刑事が現場で暴れる物語とかやめてほしい。

まさか秋田の「室井ハウス」運営を青島に託す……!?

という妄想だけして終わります。

写真:「室井慎次」後編の来場者特典
後編の来場者特典でもらったポストカード。若々しい。(なんで昔の写真使うの…とは思った)

【余談】

ちょいちょい挟まる過去の映像を見るたびに、室井さんはこんなにつるんとして素敵だったのだなあ、青島も若々しいなあ、と感慨深かったです。
四半世紀って時間の流れ、諸行無常です。自分自身も含め、年を取ったなあ……。

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この記事を書いた人

つたちこ

フリーランスのwebディレクター。基本方針は、健康的においしい食べ物とお酒を楽しむこと。できるだけご機嫌で生きていきたい。
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