こんにちは、つたちこです。
先日長崎に行きました。
おいしいちゃんぽんとともにもう一つ目的があり、長崎県美術館「手塚治虫 ブラックジャック展」に行ってきました。
昨年東京で開催された展示の巡回展です。メインビジュアルがかっこいい。
手塚治虫 ブラック・ジャック展 | 企画展 | 長崎県美術館
本展は、500点以上の原稿に加え、連載当時の『週刊少年チャンピオン』や1970年代に発行された単行本、200以上のエピソードの直筆原稿が展示される『ブラック・ジャック』史上最大規模の展覧会です。『ブラック・ジャック』が描かれた昭和の当時の様々な出来事に影響を受けた作品や、手塚治虫の情熱と執念が感じられる当時の関係資料、『ブラック・ジャック』が生まれたときの秘密が解き明かされる証言映像などを多数展示。世界的に評価されている名作マンガ『ブラック・ジャック』のすべてを余すところなく体感できます。
手塚治虫 ブラック・ジャック展 | 企画展 | 長崎県美術館
私が「ブラックジャック」に出会ったのは小学校の時でした。
初めて触れた手塚治虫作品でもあります。
当時仲のよかった友達の家に全巻揃っていたので、遊びに行っては夢中で読ませてもらった思い出。
今わが家にはコミックスはないのですが、かなり印象深い作品で大好きです。
長崎で原画展! と知り、ちゃんぽんとミックスして長崎行きを企画したのでありました。
長崎県美術館は長崎港のそばにあるのですが、とてもきれいな美術館でした。(あとから調べたら2005年開館でした。20年経ってると思えない綺麗さ!)
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で、いざ、ブラックジャック展です。
「500点以上の生原稿」とあったので、期待してましたが、期待以上の展示内容、規模、ボリュームでした。
ブラックジャックは基本的に1話完結の連載ですが、その1話がまるまる展示してあることもしばしば。
そうでない話の原画も、展示原画の前後のストーリーが説明されているので、つい読んでしまう。
原画を見るというより、ブラックジャックの漫画を読むための展示でしたね。
この頃の手塚治虫先生は何本も同時連載をしていてめちゃくちゃ多忙だったと聞きます。時間がないので、コマごとに切って複数のアシスタントが分担して同時進行で背景や効果を描いたあとに、もとに戻すのだそうです。
原画にもその名残である切り貼りが多数あるページもありました。これがあの切り貼り原稿! とちょっと顔がにやけました。
しかしその線の美しいこと!
手塚先生が描いた人物の線、スピード感があって、でも滑らかで、シュッとしている。BJかっこいい。これが生BJか。
結構大幅な修正もあったり。以前「漫勉」の手塚治虫回でもでた、BJ初登場シーンの顔の修正もありました。
同時に背景もすごい。
この当時は当然すべてアナログ手書きで、人物背景の建物や室内もですが、集中線やカケアミや点描などの効果、とても美しい。プロの仕事だ!
以前漫画を読んでいたときには気づかなかった、ページ全体を通しての効果に気づいたり、よく覚えているエピソードでは原画前後のシーンまで思い出したり、1ページたりとも見逃せない……。
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つまり、めちゃくちゃ時間がかかります。
みてもみてもまだ先に展示が続く。
手塚先生の医学生時代のメモなどもありました。
めちゃめちゃ緻密で美しかった。あれがBJの医療シーンに生かされているんだなあ。
あと、制作当時(1970年代〜80年代あたり)の社会事情と話がリンクしていることの説明なども興味深かった。
今から読むとたしかにかなり社会派な内容のエピソードも多いですね。
結局3時間以上いました。それも最後のほうはもうへばってしまって徐々に駆け足になってしまっての、3時間。
お昼食べてから来たのに、会場でたら外が真っ暗でびっくりしました。
めいっぱいブラックジャックを堪能しました。大満足です。
手塚治虫先生の原画は、以前も数点みたことがあったのですが、こんなに大量にみられる機会はなかなかなさそう。来てよかった!
長崎県美術館での特別展は2025年1月5日まで、お近くの手塚ファンは時間をたっぷりめに取ってぜひ。
ただ、中にベンチが非常に少ないのが唯一残念。
見てて疲れても、休む場がほんとに少ないです。
歩きやすい靴、荷物は少なめを徹底するのをおすすめします。(美術館ではいつもそうですが!)