セミナーメモ「WebプロデューサーとWebディレクターの『コミュニケーション』 〜クライアント折衝からクリエイティブチームとの交渉まで〜」

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こんにちは、つたちこです。
ひっさびさにオフラインのセミナーに参加しました。

参加したのはこちらのセミナー。
「WebプロデューサーとWebディレクターの『コミュニケーション』 〜クライアント折衝からクリエイティブチームとの交渉まで〜」です。

セミナーの概要はこちら。

Web制作のプロジェクトには様々なコミュニケーションが発生します。
・営業の側面もあるオリエンから受注前後のクライアントとのコミュニケーション
・受注をしてからクリエイティブメンバーを円滑に引っ張っていくコミュニケーション
それぞれ「何を握って」「どのように伝えて」など、それぞれ20年を超えるキャリアの角掛、名村が、どのようなことに気を配り、時には無意識の判断をしているのか?について解説してみたいと思います。

ですがコミュニケーションに「これなら100%上手くいく」というものはありません。
そこへのフォローとして参加者からの「こういった時は?!」にはセミナーの後、角掛、名村のパネルディスカッションの中でお答えしていきたいと思います。

WebプロデューサーとWebディレクターの『コミュニケーション』 〜クライアント折衝からクリエイティブチームとの交渉まで〜 | Peatix
写真:セミナー「WebプロデューサーとWebディレクターの『コミュニケーション』 〜クライアント折衝からクリエイティブチームとの交渉まで〜」
久々のオフラインセミナー

今回のテーマは「コミュニケーション」。
これはウェブだの職種だのに限らず、全ビジネスパーソンに通じる話では? と思いました。

WEBプロデューサーが目指す、手戻りや予算減を防ぐコミュニケーション(角掛さん)

主にクライアントとのコミュニケーションがテーマでした。

そもそもコミュニケーションはなにか、というと、言葉、声色、目、態度で信頼関係を築いて安心感を与えること。
信頼・安心が生まれれば、仕事もスムーズに進みます。
一方的に喋る、喋ることがうまいこと、ではないのです。対話が重要。

コロナ禍を経て、Zoomの使用などが出てきたけど、根本的なところは変わらない。やはり直接あって話をしたほうが信頼は生まれやすい。

信頼関係ができていないと、納得がいかなかったり、不安だったり、滑られているように感じてしまう。よって、手戻り、反発、値引き要求などが発生してしまう。

信頼を築いて本音を話せるようになることで、プロジェクトスピードも上がり、予算の確保もスムーズに、案件のクオリティも上がっていく。また頼みたい、と思われて仕事も継続していく。
良いことだらけです。

じゃあ、その信頼を生むための「きちんとしたコミュニケーション」とはどうすればいいのか。

「対話」が大事だけど、なにより相手の話をきちんと聞いているか。
相手のほしいタイミング、やりやすい手段で連絡できているか。
話の粒度はあっているか。リズムのズレが起こっていないか。

リズムというのは、答え方だったり、言い方がいつもと違ったり、答えのタイミングが遅かったり、など。

たしかに、相手がなにか心に持っていると、違和感を感じることがあります。不安だったり、言いたいことが言えなかったりしているのかな? と思うことがあります。
そういうのを見逃すと、小さな不満であっても積もり積もってのちのちに大きなトラブルに発展しがち。

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そういうのに気付いたら、通常のやりとりにこだわらず、訪問や電話などで話をするのが大事。
特にトラブル時には電話は即効性があります。

最近は電話を嫌がる人が多いけど、それはあくまで自分都合、ということ。
勝手に「世間一般」の基準にせず、「どの方法がいいですか?」と先方に確認すべき。人によって取ってほしい方法は違うのだ!

大事なのは、自分の都合ではなく、相手。
自分のやりやすさではなく、相手が心地良いと思える手段を使う事が大事。
仕事をきちんと回すために、電話や訪問を面倒くさがらないこと!

他にも、手戻りをなくすためには、決裁権を持った人とつながること。中長期的な目的、本質的な目標、経営レベルの話を掴んでおくこと。
担当者と戦友になって、共通の目的(プロジェクトの成功)のために動くようにすること。
わかったフリは見抜かれるので、わからないときはコミュニケーションチャンスとして、しっかり教えてもらうこと。
メールのやり取りは重いし営業ぽさが抜けないけど、SNSでゆるくつながっていることで、次の話題になるので活用大事。

などのお話がありました。

チームビルディングなどのインナーコミュニケーションの話(名村さん)

※正確なタイトルをメモしそこねました。すみません。

角掛さんが対クライアントコミュニケーションで、名村さんはチーム間のコミュニケーションのお話。

仕事の大事故の原因は、ほとんどがコミュニケーション不足。
いうべきことを言えていなかった。信頼感がなかった。困ったことが起こりそうでも、自分が困らない、責任を取らないから言わない、など。

ディレクターとしてチームのハブになる人は、コミュニケーションを分解して理解することが必要。

「話を聞くスキル」として、9項目を挙げられ、それぞれについて詳しい話がありました。

写真:セミナー「WebプロデューサーとWebディレクターの『コミュニケーション』 〜クライアント折衝からクリエイティブチームとの交渉まで〜」
1項目ずつ説明がありました

参考:こちらのTEDスピーチからの引用だそうです。
Celeste Headlee: 10 ways to have a better conversation | TED Talk

特に印象に残ったのは「スマホやタブレットがそばにあるだけで、相手は「聞いてない」と思う」の話。
ミーティング中にはデスクにスマホを出さないか、出しても伏せておく(画面がついても気にならないようにする)などの配慮をすべき、とのことでした。

まさにそれを体感済みでした。以前夫が食事中にスマホを見るのが嫌で、注意したことがありました。
理由は同じで、眼の前にいて話しているのに、意識が他所にあるのが嫌だったからです。
スマホの携帯性の良さはいいところだけど、依存性も高いのが怖いところです。自分でも気をつけたい。

あとは、相手にしっかり喋らせること。自分の主張はしないこと。自分を誇示しないことなど。
わかっているけど、やりがちなミスだなあ、と。

さらに「同じ話を繰り返さない」というのも身に沁みます。
年を取るほどに、本当に増える。
これはマウント取りたいとかじゃなく、話したことを覚えてない、っていう致命的なものも多いので、どうしたものやら。

今回の名村さんの話で特に面白かったのは、発声とトーンの話。
声は楽器であり、出し方で聞いてる側の意識も変わるとのこと。

実演してくれたのですが、声が高いと早口になり、聞いている側は聞きづらくなってきます。
逆に、声を低く出すように意識すると自然とゆっくりになり、聞きやすくなる。
頭に響かせるより、胸に響かせるように話しているとのこと。

たしかにー! って感じました。面白い。
私は、特に焦るとトーンが高くなって早口になりがちなので、まさにそれです。意識しなければ! と思いました。

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まとめです。コミュニケーション術はいろいろあるけど、大事なのは

無意識で相手と向き合わないこと。
コミュニケーションは相手ありき。相手がどう受け取ったかがすべて。
どうすれば相手がきちんと受け取れるかを考える。

目的完遂するために、事実と感情を分け、必要なコミュニケーションをきちんと取る。
ある程度のコミュニケーションのボリュームも必要とのことでした。接点が最低限では言い切れないこともたくさんあるから、雑談も大事。
これがコロナ禍で失われたことも多いですよね。

パネルディスカッション

質疑応答コーナー。
いくつか質問が出ましたが、特に印象に残ったのは「20年後にこの業界がどうなっていると思うか?」の質問。

角掛さんは「20年経っても人間はそんなに進化しない。その時代に合わせてほしいものを出すだけ」「高齢者向けECサイト作ってるかな」とのことでした。

名村さんは「ウェブ制作にはこだわらない。お客様の問題解決なら何でもいいと思っている。今後はビジュアルデザインも不要で、データだけあればいい、みたいになってくるかも。ただ、AIがどんどん進化しても、困ったことを解決する、という仕事は残るから、手段を変えてそこに注力するのがいいのでは」とのこと。

デザインもコーディングもプログラミングも、将来にどうなるか怪しい。
そもそもデザインがWebサイトに不要になる、という説も、なるほどな、と。調べたいことに対応するなら、情報(データ)だけがあればいいのだ。確かに。

だからこそ、手段(Web)ではなく、本質的な「問題解決」を仕事にしていく。

私がこの仕事を始めてからも、いろんな技術が生まれては使われなくなっていって、「常にアップデートし続けないとやっていけない」という危機感を常に持ってました。
技術は解決のための手段でしかない。
名村さんの答えは、かなり自分に響くものでした。

今後もずっと使えるコミュニケーションのスキル

今回のお二人のセミナーは、Webプロデューサーとディレクターという立場から、参加者もWeb関係の方が多かったようです。
だけど、このお話はどちらも、もうほんとに全ビジネスパーソンに通じる話でした。

「コミュニケーション」は、どんなに仕事の内容ややり方やツールが変化したとしてもずっと必要になる。
将来、私がどう仕事への関わり方をしていくかはわからないけど、ずっと意識し続けたい不変的な話だよなあ、と。

家庭や学校でも使える話だと思う。
特に「ながらをしない」は、気を許した・遠慮のない仲になるほどうっかりやりがちなので、気をつけたい。
とても参考になりました。

久しぶりのオフラインセミナーは、やっぱり熱量があってとてもよかったです。
楽しく、勉強になりました。
ありがとうございました!

1回目にも参加してました。

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この記事を書いた人

つたちこ

フリーランスのwebディレクター。基本方針は、健康的においしい食べ物とお酒を楽しむこと。できるだけご機嫌で生きていきたい。
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