こんにちは、つたちこです。
珍しく読書メモです。
「増補版 なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか?――日本人が知らない本当の世界経済の授業」。
タイトル長い。
facebookでいつも面白い本を紹介してくれる方が絶賛していたので、思わず購入。
とはいえ、私には理解しにくい部分も多く、結局3回くらい読んでいる気がする。
「理解しにくい」のは、私個人の理解が付いていかないためであって、形式としてはとても分かりやすいのです。
「経済学部教授」が「経済や世界のことを全然よくわからない女子大生(主人公)」に、1対1でゼミを行う、という会話形式で話が進みます。
私が「何を言っているかよくわからんぞ?」と思う部分は、たいていその主人公が「わかりません! 先生もっと説明して!」と言ってくれるのです。
素人役、大事ですね。
あと、めちゃくちゃ脚注が多い。
「?」と思うキーワードはたいていちゃんと脚注が付いています。
私はKindleで読んだので、「脚注」ではなく「文中注」になっていました。
ただ、あまりに注記が多くて長くて、そちらを読みながら進めようとすると「本文で何を言ってたんだっけ」となって何度も戻ることになってしまったりしました。
単行本だとまた印象が違うかもしれませんね。
未来への不安を感じまくりの2016年
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ちょうどこの本を買ったのが、昨年の夏くらい。
福岡移住と、仕事を辞めることをいよいよ決意して、会社に告げたくらいの頃です。
そう、私はめちゃくちゃ不安だったのです。
世界がどうの、経済がどうの、というわけではなく、ただただ自分の未来が不安。
それが解決するわけではないけど、「未来を不安に感じる」のがなぜかわかるなら知りたい、と思って読み始めたのでした。
「世界経済の授業」となっていますが、経済を理解するために、歴史の話もかなり出てきます。
むしろ経済より歴史部分がとても面白く、というと語弊があるかしら…、とても興味深かった。
特に、これまでの世界を牛耳ってきた歴史と宗教の関係。
本文中では、まんが「鋼の錬金術師」に出てくる「賢者の石」というキーワードが何度も出てきます。
そこから、今のIS等のテロ集団が出てくる流れが、とても分かりやすかった。
ニュースを見ているだけだと、「ISって怖い!」「なんでこんなことする人たち出てきちゃうの」「賛同する若者は何を考えてるんだ」とか思っていましたが、物事には、何事にも因果関係というか、そこに至る理由があるものなんだなあ、と初めてわかった気がします。
いきなり自然発生するわけではないということです。
いや、ISは怖いし、賛同できないんですけどね。
この本を読んだ後だと、世界の主だった宗教に対する見え方がちょっと変わった気がします。
随所に漫画や映画、JPOPなどの参考資料(?)が出てくるのがまた、親しみやすさを増強しています。
読んでない、知らないものも多かったですが。
また、歴史の後の経済の話もかなりかみ砕かれていたので、わからないなりに「ほうほう」と感心しながら読めました。
つまり「世界史とか経済とか、全然わかってない人に、なんで今こうなってるのかを過去の因果にさかのぼってわかりやすく説明!」という一冊。
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部分的に説明されることはあっても、こういう1000年前からの流れで説明を聞いたことはなかった気がする。
世界史……そんなものもありましたね。私の最も苦手とする教科の一つでした。
そんな、経済&歴史素人が、なんとなくでも今の世界を理解するのに、とても分かりやすい一冊だと思います。
(逆に言うと、詳しい人にはいろいろあらが見えてしまったり、極論過ぎてしまったりするのかもしれません。amazonのレビューは賛否両論です)
私はほんとにいろいろと何も知らないまま、この年になってしまったんだなあ。
もっと早く知りたかったよ。
私の「未来への不安」は解消されたか?
読後、私自身の「未来への不安」は、正直、あまり解消されていないですね。
むしろ、日本の政府とか日銀とかがやっているいろんな施策は大丈夫なのか、やばいんじゃないのか、と逆に不安が増える感じでした。
まあ「あなたの未来への不安を解消します」とはどこにも書いておらず、「なぜ不安に感じるのか」がわかったような気がする、という点ではタイトルは正しい。
そして新たに不安の種ができたというのも、私の理解が進んだと考えれば、何かを判断するための「土台のようなもの」ができたと思えます。無知が一番怖い。
本としての最終的な結論は「これまでのように成長しつづける日本(および先進国)は無理だから、成長を期待せず豊かに暮らす方法(定常経済)を目指すべき」と理解しました。
なるほど、それは確かに。とも思う。
ただこれって、年金とか税金とか、金利とか、国が作るシステムの話がかなりの比重を占めていて、個人でどうにかできる話はかなり少ない。
うーん。
個人でできることは……。
今、糸島で、コストを下げつつも、おいしいものを食べて生活していることが、その一端になっているような気もします。
ちょっと違うかなあ。
ほかの人にも読んでもらって、感想とか気になるところとかを話し合いたくなる一冊。
また少し時間をおいてから読み直そうと思います。